紋別市教委 学び保障ガイドライン 長期休業短縮など示す コロナ感染リスク低減を(コロナウイルス関連 2020-06-26付)
【網走発】紋別市教委は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における「学びの保障」ガイドラインを作成した。臨時休業の長期化に伴い、市内小・中学校の夏季休業期間を短縮するなど授業時数の確保に向けた方向性を提示。感染リスクを低減するための学校行事や各教科の指導に関する対応も示している。
5月中旬と6月上旬、市内小・中学校の教頭や主幹教諭、教諭などで構成する教育課程臨時検討会議を開催し、児童生徒の学びを保障するため、学校教育活動等の実施上の工夫や市全体で統一すべき対応等について検討した。ガイドラインは、その検討内容をまとめたものとなっている。
授業時数確保に関しては、従来、小・中学校共に7月23日~8月17日だった夏季休業期間を小学校で8月5~17日、中学校で8月8~17日に短縮し、必要な日数を確保。日数は統一するが、授業時間は各校の状況に応じて設定する。
冬季休業期間については、今後の感染状況や臨時休業などの状況を踏まえ、今後決定することとしている。
授業時数確保のみを目的とした土曜授業の設定、行事の授業への振替、週時数増は行わない。
そのほか、学校行事や各教科等の指導に関する対応を提示。
教育課程の実施について、基本的に小学校は4教科、中学校は5教科の主要教科を優先するが、児童生徒の負担や精神面を考慮し、バランスのとれた教育活動を展開するよう求めている。
また、その他の教科で感染リスクが高いものは実施時期を遅らせるなど、指導計画を変更して実施することなどを示している。
中学校の定期テストについては、生徒の負担を考慮して実施時期を検討する。
市教委は、今後も国や道の方針を踏まえ、内容の見直しを図っていく。
紋別市教委が作成した新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における「学びの保障」ガイドラインの概要はつぎのとおり(今後の状況によっては、内容変更の可能性がある)。
【基本的考え方】
▼趣旨
令和2年5月15日と6月2日に行われた紋別市教育課程臨時検討会議では、市内小・中学校における児童生徒の学びを保障するため、学校教育活動等の実施上の工夫や市全体で統一すべき対応等について検討された。
本ガイドラインは、会議の検討内容をもとに、学校教育活動等の実施における指針を示すものである。
▼ガイドラインの対象および対象期間
本ガイドラインの対象は、紋別市内小学校、中学校とする。
また、本ガイドラインの対象期間は、紋別市感染症危機管理対策本部が設置されている期間とする。
▼ガイドラインの内容
本ガイドラインの内容については、原則として地域の感染状況レベル1における学校教育活動実施上のガイドラインとして示している。今後の感染状況によって再検討が必要となる事項については、別途通知する。
【授業時数確保に関する対応】
▼長期休業における授業日の設定
▽長期休業を短縮し、必要な日数を確保する
▽各教科別の標準授業時数を確保する
▽小学校、中学校別に期間を統一する(給食・スクールバスの関係)
▽夏季休業日については下記のとおり変更し、新型コロナウイルス感染症の第3、4波、インフルエンザ、吹雪等による臨時休業を想定した余裕時数を確保する
①小学校=夏季休業日8月5日(水)~17日(月)
②中学校=夏季休業日8月8日(土)~17日(月)
日数は統一するが、授業時間は各校の状況に応じて設定する。
冬季休業日については、今後の感染状況や臨時休校等の状況を踏まえ、別途決定する。
▼土曜授業の取扱い
授業時数確保のみを目的とした土曜授業は設定しない。
▼行事等の取扱い
▽授業時数確保のみを目的とした行事の授業への振替は行わない(感染防止による行事の実施判断はあり得る)
▽授業時数時数確保のみを目的とした週時数増は行わない
【学校行事に関する対応】
▼遠足
感染リスク低減のため、時期・方法を検討の上、実施する。
▼参観日
1学期は基本的には実施しない。2学期は状況をみて検討する。
▼4校交流学習
1回目は中止。2回目は夏休み明けに実施を判断する。
▼宿泊学習・修学旅行
各学校において検討を進める(道教委6月12日付教義第284号通知に基づく)。
▼児童会・生徒会、委員会活動、行事
各学校の状況に応じて判断、実施する。
▼交通安全教室
感染リスク低減のため、時期・方法を検討の上、実施する。
▼家庭訪問・2者面談
感染リスク低減のため、時期・方法を検討の上、実施する。
▼2計測(身長、体重)
感染リスク低減のため、時期・方法を検討の上、実施する。
▼終業式・始業式
3・4月と同様の形式で実施する。
▼校外学習
1学期は実施しない。2学期は状況をみて検討する。
▼芸術鑑賞
中止(実行委員会による決定)。
▼学芸会・学校祭
▽感染防止の観点から、実施しない
▽ただし、各学校において実施可能な内容・方法で、各教科等の学習成果発表会などを行うことについては差し支えない。学習成果発表会等の実施については各校で対応を検討すること
▽各教科等の学習成果発表会などを行う場合、保護者の観覧については、地域の感染状況を踏まえた上で、必要に応じて様々な感染リスクへの対策を講じるとともに、適切な方法を選択する(例としては、分散開催、動画配信、DVD配布など)
▼水泳授業について
▽児童生徒の健康と安全を第一に年度内の実施可否を判断する
▽最終学年については、「学びの保障」の観点(年度内にすべての児童に学習指導要領に示された各教科等の内容を身に付けさせる)から、十分な対策を講じた上で、できる限り実施する方向で検討する。対策が十分に講じられない学校は本年度の実施を見送る
▽最終学年以外の児童生徒について、従来の実施方法では市内複数校・複数クラスの重複が避けられないため、回数や内容を検討する。もしくは、必要に応じて5月15日付2文科初第265号通知2(2)①、②に基づく特例的な対応を検討する
▽授業の実施に当たっては、感染防止の観点から、単一校、単学級での実施を原則とし(少人数の学校はこの限りではない)、大人数での指導を避ける
▼その他
▽避難訓練・防犯訓練は短時間で実施
▽美化・清掃、グループの活動は、時間・場所をずらして実施、回数の精選
【各教科の指導に関する対応】
▼各教科の学習活動における対応
▽全教科
・咳エチケット・マスク
・身体的距離の確保
・教室等の小まめな換気の徹底
・児童生徒が密集して長時間活動するグループ活動は、当分の間行わない
・共用の教材、教具、情報機器や設備などを適切に消毒、触る前後の手洗い・除菌行為を徹底する
▽音楽科(狭い空間や密閉状態での歌唱指導や身体の接触を伴う活動)
・年間指導計画の中で指導の順序を変更すること
・歌う際にはできる限り一人ひとりの間隔を空け、人がいる方向に口が向かないようにすること
▽家庭科(調理などの実習)
・年間指導計画の中で指導の順序を変更すること
・衛生管理をより一層徹底すること
▽体育科・保健体育科(児童生徒が密集する運動、児童生徒が近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い運動)
・年間指導計画の中で指導の順序を変更すること
・個人や少人数で密集せず距離を取って行うことができる運動を行うなどの工夫をすること
・可能な限り授業を屋外で実施
・児童生徒が集合・整列する場面を避ける
・授業の前後に手洗いを徹底する
▽自立活動(マスク使用等の対応が取れない場合の近距離での会話や発声等、教師と児童の接触や児童生徒同士の接触)
・指導計画や指導方法の見直し等を行う
・やむを得ない場合は一層の感染症対策を講じた上で指導を行う
▼教育課程進行管理上の工夫
▽小学校は4教科、中学校は5教科を優先する。ただし、児童生徒の負担や精神面にも配慮し、ある程度バランスも必要(学校教育目標との関連から優先しない学校もある)
▽その他の教科で感染リスクの高い教科は実施時期を遅らせるなど、指導計画を変更して行う
▽授業全般において、感染リスクが高い学習活動は当面行わない
▽道徳は各内容項目を優先して消化できるよう、指導計画を見直す
▽総合的な学習の時間は必要に応じて内容を再検討する
▽中学校は、生徒の負担を考慮し、定期テストの実施時期を検討
(コロナウイルス関連 2020-06-26付)
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