政府　骨太の方針２０２０原案　少人数指導の体制整備　教育にマイナンバー利活用

（国 2020-07-10付）

　政府は８日の第１０回経済財政諮問会議で、仮称・経済財政運営と改革の基本方針２０２０の原案を示した。教育におけるマイナンバー利活用の検討、高校・大学の遠隔教育における単位上限ルールの見直しなど、今後の施策の方向性を提示。初等中等教育改革では、緊急時においても子どもの学びを保障する少人数指導体制の計画的整備の検討、教育課程・教員免許・教職員配置の在り方の一体的検討などを挙げている。今月中旬に閣議決定する見通し。

　新型コロナウイルス感染症の影響による新しい日常の実現に向けた社会改革の推進力となる人材が必要とし、課題設定・解決力や創造力を発揮できる人材育成の推進を提示。教育におけるマイナンバー利活用の検討、高校・大学の遠隔教育における単位上限ルールの見直し、デジタル教科書が使用できる授業時数の基準の緩和の検討、激甚化・複合化する災害に対応する学校の防災機能強化などを挙げている。

　初等中等教育改革では、臨時休業など緊急時にすべての子どもたちの学びを保障するため、少人数指導による指導体制の計画的整備やＩＣＴの活用など、新しい時代の学びの環境整備を検討。国・地方が一体となってＧＩＧＡスクール構想を加速し、効果的な遠隔・オンライン教育を早期に実現し、教員のＩＣＴ活用指導力の伸長、ＩＣＴ活用方法の支援などを進めるとした。

　多様で個別最適化された深い学びの実現に向けては、学年・学校種を超えた学びの拡充、異能・異才への指導・支援、授業時数の柔軟な取扱いなどのほか、小学校における教科担任制の導入など、教育課程・教員免許・教職員配置の在り方の一体的検討を進めていく。

　障がい児への支援では、家庭・教育・福祉が連携し、医療的ケア児を含めて子どもの状態に応じたサービスが提供できる取組を推進。発達障がいの社会全体の理解促進と家族への支援、難聴児の早期支援に向けた支援体制の構築を図る。

(国 2020-07-10付)