文科省　学習用デジタル教科書　６年度本格導入目指す　学びの個別最適化実現へ

（国 2020-07-13付）

　文部科学省は、次回小学校教科書改訂となる令和６年度、学習者用デジタル教科書の本格導入を目指し、検討を進める方針を９日の自民党教育再生実行本部会議で明らかにした。本年度中にデジタル教科書の在り方の方向性を提示。各校種での導入を拡大して、すべての授業でデジタルコンテンツや学習履歴を活用し、個別最適化された学びの実現を目指す。

　学校教育法等の一部改正に伴い、昨年４月からデジタル教科書を使用することが可能となった。現行の使用基準では「各教科等の授業時数の２分の１に満たないこと」「紙の教科書を使用できるようにしておくこと」を定めている。

　２年度におけるデジタル教科書の発行状況は、小学校が前年度から７４ポイント増の９４％、中学校は７０ポイント増の９５％と大幅に増加。

　文科省は、導入による利点として、①デジタル機能の活用による教育活動の充実（図表の拡大・縮小、書き込み、保存、検索など）②デジタル教材との一体的利用（動画、ネイティブによる朗読、ドリル・ワーク、参考資料、児童生徒の画面共有など）③特別な支援が必要な児童生徒の学びの充実（音声読み上げ、ふりがなの付記、文字の拡大など）―を挙げている。

　９日の自民党教育再生実行本部で文科省は、学校ＩＣＴ環境整備の実現に向けたイメージを提示。当面の目標を「１日に１～２コマ、必要なときに１人１台端末の環境でデジタル教科書やＡＩ技術を活用したドリルなどのデジタル教材を活用する」とした。

　その後、可能な限り早期に国家プロジェクトとし、すべての授業でデジタル教科書をはじめとするデジタルコンテンツや学習履歴を活用し、多様な子どもを誰一人取り残すことのない、個別最適化された学びの実現を目指すとした。

　工程表では、本年度中にデジタル教科書の在り方の方向性を提示。新学習指導要領の実施に合わせて各校種での導入を拡大し、小学校教科書のつぎの改訂となる６年度の本格導入を目指す。

(国 2020-07-13付)