文科省　学校図書館振興の調査研究　情報活用教育など推進へ　紋別市教委が企画運営委員会

（市町村 2020-08-05付）

事業内容について意見交換した

　【網走発】紋別市教委は７月２２日、南丘小学校（鈴木義樹校長）で文部科学省委託「学校図書館の振興に向けた調査研究」第１回企画運営委員会を開いた。委員１１人が出席。情報活用教育の推進や常駐化した学校図書館司書との連携など、事業の方向性を確認し、今後の取組の充実に向け意見を交わした。

　市教委は、文科省から学校図書館の振興に向けた調査研究の委託を受け、南丘小を学校図書館推進協力校に指定。

　平成３０年度と令和元年度、文科省委託「学校図書館ガイドラインを踏まえた学校図書館の利活用にかかる調査研究」に取り組んできた成果を踏まえ、①情報活用に関する指導の体系化②学校司書の常駐化③コミュニティ・スクールの導入による学校図書館支援―の３点について研究を進めていく。

　委員会では、各担当者が取組内容を説明。平野由香市立図書館長兼市教委学務課参事（学校図書館担当）は、学校図書館司書のスキルアップのため、市立図書館司書を交えて「授業に沿った図書の選定」をテーマに研修会を推進していることを示した。また、市立図書館の学校図書館支援や連携に向けた方向性を話した。

　南丘小の森下和樹教諭は、①の取組に基づき、総合的な学習の時間で情報収集・活用について学ぶ機会の設定など、年間指導計画の内容などを紹介した。各教科等の授業でも学校図書館の活用を推進していく考え。

　②については、教員と学校図書館司書の連携が図りやすくなるよう、授業で活用する図書館資料の提供依頼シートの様式を作成したことなどを示した。

　石井健太教諭は③について、保護者による読み聞かせボランティアが児童の卒業に伴う会員減少によって活動休止となっているため、地域住民にも呼びかけて活動を再開させる方針であることを伝えた。このほか、地元企業と連携し、農園活動の売上金を図書購入費に充てる取組や、読書感想画コンクールなどの取組を推進することを話した。

　このあと、学校図書館を見学した。

　前南丘小校長の橋本雄一郎日高教育局義務教育指導監は「先を見据えて、今できることを考えて計画的に取り組んでいる」などと講評した。

(市町村 2020-08-05付)