湧別町教委が学校力向上事業　９年間の連続性を考慮　湧別小を中心校に授業改善

（市町村 2020-08-12付）

　【網走発】湧別町教委は、本年度から令和４年度までの３年計画で「湧別町型学校力向上事業」に取り組んでいる。授業公開や校内研修での交流などを通して、中心校となる湧別小学校の研究内容を発信し、町内すべての教員の指導力向上を図るもの。９年間の学びの連続性を考慮した授業改善などを進め、町全体の学力向上を目指すとともに、湧別小と湧別中学校の義務教育学校への円滑な移行に向けた体制づくりにもつなげていく。

　湧別町は、湧別地区（湧別中、湧別小）、上湧別地区（上湧別中学校、中湧別小学校、上湧別小学校、富美小学校、開盛小学校）、芭露地区（芭露学園）の３地区で、小中一貫・連携した教育活動を推進している。

　平成３０年度に開校した芭露学園に続き、湧別地区で町内２校目の義務教育学校が開校する予定となっている。

　このため町教委は、児童生徒の学力向上や小中一貫教育の一層の推進に向けて、湧別小を中心として町内すべての教員の指導力向上を図る湧別町型学校力向上事業を始動。

　主体的・対話的で深い学びの実現に向けて国語科を中心に研究を進めている湧別小の授業を、町内の教員に積極的に公開し、①子どもたちが「どのように学ぶのか」という学びの過程を大切にする授業②身に付けさせたい力を明確にした単元づくり③子どもたちのアウトプットがある授業④小中学校の９年間において、子どもたちの発達段階に応じた学びが連続した授業―の４点に基づいた授業改善を推進する。

　校内研修では、発問、板書など教員の指導技術に着目した研修から、子どもたちの学びの過程を見取る、子どもたちに着目した研修への転換を図る。

　８月現在、湧別小と湧別中の教員における相互の授業交流を終え、９年間の学びの連続性を考慮した授業改善の検討を進めている。

　今後は、芭露学園の実践、湧別小・湧別中の取組などを検証し、町内各校へさらに具体的な取組内容を周知していく予定。

　また、１２月には外部講師を招へいした全町規模の研修会を湧別小で開催する。

(市町村 2020-08-12付)