働き方改革テーマに合同研　ＩＣＴプラスαが重要　北広島市校長会と教頭会

（関係団体 2020-08-24付）

ほっかいどう学推進フォーラムの新保理事長が講演

　北広島市小中学校長会（中川幹彦会長）と北広島市教頭会（得能敏宏会長）は７月下旬、緑ヶ丘小学校をメイン会場にウェブ会議システムＺoomを活用した合同研修会を開催した。講師を務めた特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長は、学校における働き方改革について、ＩＣＴを導入するだけで終わるのではなく、しっかりと活用するという“プラスα”が必要と指摘。効果的な取組に向け、デジタル化に対応した教室環境の整備を求めた。

　新型コロナウイルス感染拡大によって、北広島市教委は、全小・中学校にＺoomを活用した研修等が実施可能な校内環境を整備。例年、夏季休業日前に行っている合同研修に間に合うよう、小・中学校１５校の校長・教頭で接続状況や操作などを確認し、研修会を開催する環境を整えた。

　研修会は、時代の潮流を的確に見取り、明確なビジョンの学校改善を図るとともに、活気ある組織・運営体制を築くため、トップリーダーとしての高い見識や使命感をかん養することが目的。

　新保理事長が「働き方改革について」をテーマに講演した。

　学校現場の長時間労働など、学校教育をめぐる様々な現状や課題を紹介。授業や校務の改善を図り働き方改革を進めるための方策として〝ＩＣＴプラスα〟を提示。「“ＩＣＴ”を導入するだけでは駄目。“プラスα”というのはアイデアのこと」と説明した。

　教職員にとっての働き方改革は、ただ残業を減らすことだけではなく、「教育の質を上げつつ」ということが最も重要であると訴え、ＩＣＴを活用することを提案。

　「ただパソコンを持ってきても解決はしない。プラスαの取組をすることで、授業や校務、日常を変えることができる」と強調した。

　ＩＣＴの活用ができていない例として、休み時間にスクリーンや実物投影機などを運ぶ教員の姿や、校務支援システムでスケジュール管理ができるのにもかかわらず、職員室の黒板に毎月の行事などを書き込んでいる様子などを紹介。「これがＩＣＴ活用か、働き方改革になるのか」と問題提起した。

　学校にあるＩＣＴにプラスαの考え方を取り入れるためのポイントとして、パソコンや実物投影機などをすべての教室で同じ場所に配置することで、授業中、誰もがすぐに活用できる環境になると助言した。

　最後に、効果的なＩＣＴの活用について、全教室に“常設プラス固定”を意識して配置することを強調。デジタル教科書やノート指導などへの対応がすぐにできるよう、教室環境の整備を求めた。

　研修会について、中川会長は「研修内容を自校で共有して、今後の活動に役立ててほしい」と期待を寄せた。

(関係団体 2020-08-24付)