道中理　夏季研修会開く　学び振り返る評価が大切　２教諭が研究発表　グループ協議も

（関係団体 2020-08-27付）

３０人が参加した

　道中学校理科教育研究会（＝道中理、荒島晋会長）は８月上旬、ホテルライフォート札幌で夏季研修会を開いた。札幌市立平岡緑中学校の桑原俊行教諭、函館市立五稜郭中学校の片桐尚哉教諭が研究発表。グループディスカッションでは主体的に学習に取り組む態度の評価方法を協議し、教員間の共通理解や生徒自ら学びを振り返る評価の大切さを確認した。

　道中理は「自然と人間との調和をめざし、未来を創造する力を育む理科教育」を研究主題とし、平成２６年度から研究を進めている。

　７年次となる本年度は、「理科の見方・考え方を意識した教育課程や学習内容の工夫」など４つの視点を重点に設定。新型コロナウイルス感染症の影響による本年度の研究大会の中止や研究推進の困難さから、研究期間を令和４年度までの９ヵ年研究に変更し、本年度と来年度は同様のアプローチで研究を推進する。

　夏季研修会には約３０人が参加した。

　開会に当たり荒島会長は、休業期間においても、子どもたちが自ら学ぶ力を発揮することの大切さにふれ、指導する教員の教えが問われていると指摘。来年度から全面実施となる中学校の新学習指導要領では、生徒による学びが中心となるとし、これまでの道中理による研究・研鑚の蓄積と同様のものと説いた。

　研修に移り、本年度の研究の方向性を確認。冬季研修会は来年１月の開催を予定し、新型コロナウイルス感染症や会場確保の可否も踏まえて開催日を決定するとした。オンライン・紙面での開催となった第６７回全国中学校理科研究会（＝全中理）の福岡大会に関しては、従来の５分科会から４分科会に変更となったことを伝えた。

　このあと、次年度全中理大会での発表予定者が研究内容を発表。平岡緑中の桑原教諭は「未来を創造する力の育みを目指した教育課程の工夫」をテーマに、習得・活用のサイクルによる単元構成や授業展開の工夫、生徒の実態に合わせて段階的に思考を進めることができるワークシートの工夫などの取組を伝えた。

　五稜郭中の片桐教諭は「スクールエコニュースを活用した環境教育の取組」と題し、函館市教委との連携による出前授業の実践を紹介。正確で深い知識をもつ生徒、環境教育を多面的にとらえる生徒の育成を課題とし、他の教科・領域との連携など、学校全体で環境教育を推進する必要性を示した。

　グループディスカッションでは、主体的に学習に取り組む態度の評価方法に関して協議した。参加者からは、評価方法の教員間の共通理解の大切さや、生徒が自ら学びを振り返る評価、ワークシートの工夫の必要性が指摘された。

(関係団体 2020-08-27付)