オンラインの創る新しい学び　個人情報保護体制整備を　ＩＣＴフォーラムで実践事例等

（道・道教委 2020-10-06付）

　教育ＩＣＴフォーラム２０２０ｉｎ札幌が９月２９日、オンラインで開催された。情報通信総合研究所の平井聡一郎特別研究員が「１人１台とオンラインの創る新しい学びの世界」をテーマに基調講演。教育現場におけるＩＣＴ利活用の実践事例やポイントを紹介したほか、クラウドサービスの利用に当たり、児童生徒の個人情報を保護する体制を整える必要性を指摘した。

　東日本電信電話㈱主催、道教委など共催。ＩＣＴを活用した教育環境の整備について、対応事例などソリューションの紹介を交えながら、教育現場におけるＩＣＴの利活用を提案するもの。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンラインで開催した。

　開会に当たりＮＴＴ東日本北海道事業部・ビジネスイノベーション部の澤出剛治部長は、１人１台端末の学習環境の整備に伴い、ＩＣＴが文房具と同様の扱いとなる環境になるとし「少しでもスムーズに負担なく活用できるヒントを得て、あすからの授業に役立ててほしい」と呼びかけた。

　続いて、道教委教育環境支援課の泉大吾情報教育指導係長が「１人１台端末の利活用促進に向けた道の取組」をテーマに説明。端末の整備前から課題を洗い出し対策を講じておくこと、クラウドサービスの機能を把握・整理しておくことなどのポイントを伝えた。

　情報通信総合研究所の平井特別研究員は、「１人１台とオンラインの創る新しい学びの世界」をテーマに基調講演。新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休業期間において、教材や授業動画の配信など一方通行型の学習では内容の定着が不十分だったと指摘する一方で教員のＩＣＴ活用力や授業デザインの向上などに大きな効果があったと述べた。

　遠隔授業の実践例として熊本市内小・中学校の取組を紹介し、授業以外の日常でＩＣＴを活用する重要性を強調。同時双方向型の学習で特に効果の大きい探究型の学習では、自らの言葉で説明することで思考力を養うこと、そのために“学びがい”のある授業づくりが大切と説いた。

　端末整備とクラウドサービスの利活用に伴い、児童生徒の個人情報保護に注意が必要とし、情報セキュリティの段階を区分けして設定すること、市町村のセキュリティ・ポリシーの改訂と併せて体制を整えることなどの注意点を示した。

　このほかフォーラムではＮＴＴラーニングシステムズ㈱教育ＩＣＴ推進部の鈴木淳一朗次世代教育イノベーションプロジェクト担当課長が「ａｆｔｅｒ　ＧＩＧＡスクールのＩＣＴ活用最前線動向」と題し講演。ＮＴＴ東日本道事業部は、「学校におけるＩＣＴ環境の持続的な活用に向けて」をテーマに企業提案し、ＩＣＴ環境の支援方法、代表的な３つのＯＳの特徴、端末の管理ツールやアプリを紹介した。

(道・道教委 2020-10-06付)