根室市花咲港小 全児童15人 ケーソン製作を間近に 水産業支える仕事見学
(学校 2020-10-12付)

根室市花咲港小工事見学会
船内を見学する児童

 【釧路発】根室市立花咲港小学校(岡部臣也校長)の全校児童15人は7日、地元の花咲港で行われている港湾工事の見学会に参加した。岸壁の土台となる巨大なコンクリートの箱「ケーソン」の製作作業やケーソン模型を水に浮かべる実験などを見学。建設工事のスケールの大きさを体感するとともに、地元産業を支える港への理解を深めた。

 現在、花咲港では水産物を水揚げする岸壁を改良するため、国の事業が進められており、勇建設㈱、真壁建設㈱、㈱本田組で構成する共同企業体が、ケーソン製作・設置工事を請け負っている。

 ケーソンはコンクリート製の巨大な箱で、港に停泊したフローティングドックと呼ばれる船舶の甲板でつくられる。完成したケーソンは、浮力を得られる深さまで船ごと海中に沈めてから、曳舟で設置個所まで移動させる。

 今回、勇建設が中心となって見学会を企画。日ごろ工事で世話になっている地域に恩返しするとともに、建設業が地元漁業の発展に大きな役割を果たしていることを知ってもらおうと、同校児童を工事現場に招待した。

 見学会では、工事を発注した釧路開発建設部根室港湾事務所の千葉俊夫第1工事課長が港湾整備事業の目的などを説明。水揚げ日本一のサンマ漁などを支援するために港を改良していることを伝えた。

 現場監督を務める勇建設の三瓶敏幸氏は、港湾施設の種類や工事の内容を解説し、建設業が港湾整備に大きくかかわっていることを説明した。

 児童は、ヘルメットとライフジャケットを着用して現場へ。特殊なポンプ車によるコンクリート打設作業やフローティングドッグ内を見学し、工事現場のスケールの大きさを体感した。

 見学のあと、50分の1サイズのケーソンの模型を水に浮かべる実験を実施。水槽の中の重たいコンクリートが浮上すると、子どもたちから歓声が上がった。このほか、ショベルカーの搭乗体験も行った。

 岡部校長は「これだけ大がかりな工事を見る機会はない。地元の産業を支える港の工事を知るとともに、ふるさとへの理解を深めてほしい」と期待していた。

(学校 2020-10-12付)

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