道教委指定　旭川市神居東中と中央中　地域全体で数学授業改善　推進教員が初任者とＴＴ

（学校 2020-10-13付）

神居東中で行われた第２回報告会

　【旭川発】本年度から中学校に枠を広げた道教委の授業改善推進チーム活用事業。旭川市内では、神居東中学校（岡﨑良昭校長）と中央中学校（菅藤真由美校長）の２校に推進教員を配置し、地域全体における数学の授業改善に取り組んでいる。９月２９日には神居東中で第２回報告会が行われ、関係者が初任者と推進教員２人によるチーム・ティーチング（ＴＴ）授業を参観したあと、今後の授業改善の方向性のほか、配置校での関係づくりや環境づくりなどについて意見を交わした。

　事業は、児童生徒の学力向上に積極的に取り組もうとする複数の小・中学校に１人ずつ授業改善推進教員を配置するもの。

　本年度から新たに枠を広げた中学校では、２人の推進教員によるチームが推進校や連携校に勤務し、地域全体の数学の授業を改善。中学校での配置は、全道で旭川市のほか函館市と釧路市の３市となっている。

　旭川市では、中央中と神居東中に配置された推進教員２人がチームを組み、１週間単位で同一の推進校に勤務。また、週に２日程度、連携校（旭川中学校、春光台中学校、緑が丘中学校、東明中学校、東陽中学校、神楽中学校、六合中学校、永山中学校）に勤務して授業改善に取り組んでいる。

　９月２９日には、神居東中で第２回報告会を開催。推進教員を務める同校の早川裕章教諭、中央中の沼澤和範教諭のほか、同校の小嶋栄次教頭、中央中の山上宣和主幹教諭、旭川市教委教育指導課の角地祐輔主査、上川教育局義務教育指導班の石垣友和指導主事が出席した。

　初任者と推進チームによるＴＴ授業を参観したあと、取組状況や今後の課題について情報共有。

　神居東中における事業推進の報告では、小嶋教頭が保護者への周知を課題に挙げ、今後は授業参観等で公開したい考えを伝えた。

　早川教諭は、生徒に身に付けさせたい力を明確にして単元を見通した指導ができるよう、評価基準に応じた学習活動などの計画を立てていく方向性を確認した。

　中央中の報告では、山上主幹教諭が事業の推進について報告。頻繁に反省や打ち合わせをしている場面や、推進教員が授業以外の場面でも生徒とふれ合う姿が見られることを紹介し、チーム活用における授業力向上の効果を伝えた。

　沼澤教諭は、今後は複数の教科書の比較などを通して単元指導に生かせるよう進めていく考えを示した。

　各校の報告のあと、２週目を終えた連携校での取組状況や、連携校ならではの課題について共有。最後に、報告を受けた石垣指導主事が指導助言した。

　石垣指導主事は「報告会に加え、授業視察を通して子どもの姿から成果や課題を把握できたことは大変ありがたい」と謝辞。初任者の急速な成長を目の当たりにしたことで、事業の成果を実感したことを伝えた。

　また、配置校で推進チームが効果的に力を発揮するためには、管理職を中心とした環境づくりが重要であることを指摘。教科担任制の中学校では特に配置校での人間関係づくりに難しさがあることから、全校に授業づくりのポイントが行きわたる環境整備への協力を求めた。

(学校 2020-10-13付)