【解説】新型コロナで全国知事会が緊急提言

（コロナウイルス関連 2020-11-09付）

　全国知事会は５日、全国知事会議をウェブ会議で開催し、将来世代を応援する緊急提言をまとめた。「新型コロナウイルス感染症への対策強化」「次世代育成支援の根本強化」「困難な環境にある子どもへの支援の抜本強化」を柱に４８項目を提言。子どもの貧困対策に向けた全国実態調査の実施などの施策を示した。

　感染症対策では、人権侵害を防ぐ正しい情報の発信や人権教育などの対策の強化、学校における感染症対策、人的支援、衛生環境改善などの財政的支援の継続、学校寮におけるクラスター発生を踏まえた関連施設への対策の支援を求めた。

　また、ＩＣＴ環境とＩＣＴ支援員を迅速に整備し、臨時休業や長期入院、不登校の児童生徒の学びを保障する環境の構築、家庭の状況によって差が生じないよう配慮した補助制度の拡充を挙げている。

　次世代育成の支援では、児童生徒へのわいせつ行為によって失効した教員免許状を再取得した教員に対する免許管理の制度的検討、保育士・幼稚園教諭の一層の処遇改善などを要望。

　地域の実態に応じた子どもの貧困対策推進のため、全国実態調査を提案。スクールカウンセラー等の配置拡充、生活困窮世帯の子どもに対する学習・生活支援事業の国庫補助上限の撤廃などを盛り込んだ。

　家族の介護や世話を行うヤングケアラーに関しては、学校生活等への影響から全国調査結果を踏まえた支援体制の強化を提示。児童虐待防止のため、国におけるＳＮＳ相談窓口の設置や虐待を認定するAI技術等の開発、５年以上の経験を必要とされている指導教育担当児童福祉司の確保・育成に向けた施策を挙げている。このほか、医療的ケアが必要な子どもの実態を継続的に把握する仕組みの構築、自治体の看護師配置の一層の充実を求めた。

(コロナウイルス関連 2020-11-09付)