【解説】寒さに配慮した学校の換気

（コロナウイルス関連 2020-11-27付）

　道立総合研究機構建築研究本部は、本道における冬季の学校教室の換気に関し、寒さを緩和しつつ換気量を確保する方法について提案をまとめた。教室の換気扇を常時運転するほか、室内に取り入れる外気を温めるため、空き教室等を暖房することを示している。

　文部科学省が示している学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルでは、換気について「気候上可能な限り常時。困難な場合は小まめに（３０分に１回以上、数分間程度、窓を全開にする）、２方向の窓を同時に開けて行う」としている。それを踏まえ、道総研は冬季の換気方法を提案した。

　教室の換気設備の有無によって方法が異なる。

　設備がある場合は、使用する教室で換気扇を常時運転し排気。必要な給気は空き教室または授業を行っていない特別教室から取り、使用する教室の廊下側のらん間と空き教室等の窓の廊下側のらん間を開ける。

　給気を温めるために空き教室等を暖房する。給気のため、寒さを和らげるためにも複数の空き教室等で行うことが望ましいとしている。

　換気設備がない場合は、使用する教室と方向が異なる教室等の窓と廊下側の戸・らん間を常時開ける。強風のときは換気量が増えるため開け幅を小さくするなど、完全に閉じて換気不足にならないよう注意。

　窓を開ける際の工夫点として、外からの気流が直接人に当たらないようにするか、流入する外気を暖房機で温められるよう、ついたてなどの設置を勧めている。

　換気の有効性については、１０月上旬に旭川市内の中学校の協力を得て２階の隣り合う教室で比較。間欠換気よりも、換気扇の常時運転や２方向の窓を常時開けることの方が有効との結果が出たとしている。

(コロナウイルス関連 2020-11-27付)