留萌市３年度教育行政執行方針　中学校にＩＣＴ支援員　指導者用デジタル教科書も

（市町村 2021-03-23付）

留萌市教委・武田浩一教育長

　【留萌発】留萌市教委の武田浩一教育長は令和３年度教育行政執行方針において、ＩＣＴ教育に関し、中学校での指導者用デジタル教科書を整備するとともに、定期的にＩＣＴ支援員を派遣する考えを示した。教職員の資質・能力の向上に向け、ＩＣＴ機器を活用した授業の確立につながる研究を市教育研究協議会に委託するなど、教育水準向上のための調査研究を支援するとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力を身に付けるための教育の充実

　各中学校区における交流授業や中学校教諭による小学校への乗り入れ授業の実施、小・中学校で一貫した学習・生活習慣の定着を図るなど、小・中学校の接続を重視した組織的・計画的・継続的な教育活動を着実に推進する。

　中学校での新学習指導要領の実施に当たり、指導用のデジタル教科書を整備するとともに、定期的なＩＣＴ支援員の派遣など、１人１台端末を活用した教育のデジタル化への対応、遠隔授業やオンライン授業などのＩＣＴ教育の推進と拡充を図る。

　児童生徒の外国語の発音力やコミュニケーション能力、国際理解力の向上を目的に、小・中学校の外国語授業に外国語指導助手を派遣し、身近に外国語とふれ合う機会を増やす。

　主体的・対話的で深い学びの実現に向け、学習の質を一層高める授業改善と学校、家庭が連携した望ましい生活習慣の確立を両輪とした取組の充実に努める。

　特別な教育的支援が必要な児童生徒に対しては、関係機関と連携を図り、個別の教育支援計画の整備と確実な引き継ぎに努めるとともに、特別支援教育支援員を適切に配置し、計画的・継続的に学校全体で支援する体制の充実に努める。

▼豊かな心の育成

　郷土に愛着と誇りをもつ教育については、「留萌人」の生き方にふれる機会の充実や地域資源を活用したふるさと学習の機会の充実を図り、特に日本一の生産量を誇るかずの子について学ぶ授業の充実やかずの子給食の取組を進める。

　特別の教科として位置付けられた道徳科を基軸として、「考え、議論する道徳」の実現に向けた指導方法の工夫改善を図り、保護者や地域への授業の公開など、学校・家庭・地域社会との連携を図る。

　いじめの未然防止に向けて、市いじめ防止基本方針に基づき、学校などにおいて啓発や学習機会を設けるとともに、関係機関との連携を図った組織的な取組を強化し、未然防止や早期対応、早期解消に努める。

　不登校児童生徒への対応については、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門知識を有する人材の活用、学校や家庭、関係機関と連携した相談体制の充実や子どもたちの学校以外の居場所づくりなどの支援に努める。

▼健やかな体の育成

　一人ひとりの体力・運動能力の状況を踏まえ、各校で特色のある体力づくりの取組、コオーディネーショントレーニングなどによって、さらなる体力・運動能力の向上を目指す。

▼教職員の資質・能力の総合的な向上

　教職員が自主的に参加する研修に対し予算を措置する。教科指導力を高めるとともに、オンライン授業などＩＣＴ機器を活用した授業の確立につながる研究を市教育研究協議会に委託するなど、教育水準向上のための調査研究を支援する。

　学校における働き方改革については、市独自の学校事務補助員の配置を継続するとともに、統合型校務支援システムの活用や出勤簿機能による客観的な勤務時間の管理、長期休業期間中における学校閉庁日の設定など、児童生徒と向き合う時間を確保するための環境を整備する。

▼信頼される学校づくり

　コミュニティ・スクールについては、地域全体で子どもたちの成長を支える学校と地域の連携・協働体制の強化に向けた創意ある取組を進める。

　特色ある学校づくりについては、校長裁量予算を配分し、それぞれの学校が創意工夫によって学校運営を積極的に取り組めるよう支援する。

(市町村 2021-03-23付)