幌加内町３年度教育行政執行方針　地域留学生４人受入れ　朱鞠内小で山村留学

（市町村 2021-03-26付）

幌加内町教委・小野田倫久教育長

　【旭川発】幌加内町教委の小野田倫久教育長は令和３年度教育行政執行方針として、高校生の地域留学推進のための高校魅力化支援事業で受け入れる４人の地域留学生への支援や、留学生を通した高校の魅力発信を推進する考えを示した。２学期以降の受け入れを見込んでいる朱鞠内小学校での山村留学に向け、募集や現地視察、面接などに取り組んでいく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼小・中学校義務教育

　児童生徒１人１台端末の導入等が進められ、本町においても間もなく導入作業が完了しようとしている。新年度からは、小・中学校共にこれらの機器を有効に活用しながら、新学習指導要領に基づく学習が進められていくこととなるが、急激なデジタル化・情報化による教育現場における混乱も予想されることから、現場の実態に寄り添った支援をしていく。

　デジタル化・情報化が進む一方、これらでは得られない自然や文化からの体験や学びも重要であり、学校の新しい生活様式のもと、様々な教育を進める。

　２年度から準備を進めてきた朱鞠内小における山村留学の受付を４月から開始する。留学家庭の受け入れのため、既存の教員住宅を山村留学者用住宅に変え、改修を行うべく所要の予算を計上している。順調に募集・現地視察・面接と進んだ場合には、最速で８月下旬、２学期からの受け入れとなる見込みである。

▼高校

　内閣府が実施する高校生の地域留学推進のための高校魅力化支援事業において、４人の地域留学生の受け入れが決定した。様々な経験を通して本町の魅力を肌で感じていただき、１年間の留学経験がその後の高校生活や人生にもつながるよう支援する。

　地域留学生を通した高校の魅力発信につながる活動についても取り組んでいく。

　全国でも唯一、学校設定科目の「そば」授業の取組や、道内公立学校では最先端のＩＣＴ教育の実践、生産から加工製造、販売まで一貫した６次産業化への学習を強化、推進する。

　生徒自ら主体的に経営する幌高商店会の運営や、旭川市内商業施設などでの販売会を通した生徒の活躍に加え、全国高校生そば打ち選手権での実績によって、道内外において幌加内高校の知名度が上がっていると実感しているが、全国的な少子化傾向は一段と強まっており、生徒募集については、年々、大変厳しい状況下にある。

　札幌近郊や旭川市ならびに近隣市町村、北空知管内を中心に中学校訪問を積極的に実施するとともに、１日体験入学や、個別での対応を含めた学校見学会を実施し、生徒募集の強化に努める。

　寮生活を行う生徒が大半であることから、生徒が抱える様々な問題に対応するため、社会福祉の専門家や、臨床心理士による心のケアと合わせ、総合的な対策を図っている。

　スクールソーシャルワーカーの配置をはじめ、学習指導や生徒指導の分析を細やかに行い教育環境の充実に取り組む。

(市町村 2021-03-26付)