帯広市３年度教育行政執行方針　ＣＳの導入校拡充へ　電子図書館機能　供用を開始

（市町村 2021-03-30付）

帯広市教委・池原佳一教育長

　【帯広発】帯広市教委の池原佳一教育長は令和３年度教育行政執行方針において、コミュニティ・スクールの導入校を拡充する考えを示した。ＩＣＴの効果的な活用によって児童生徒一人ひとりの可能性を引き出す個別最適な学びの実現を目指すとともに、読書機会充実のため、電子図書館機能の供用を開始するとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼基本的な考え方

　学校教育においては、学習指導要領を踏まえ、幅広い資質・能力の育成を図るため、子どもたちの主体的・対話的で深い学びの実現に向けた取組を進めるほか、おびひろ市民学によって、ふるさとの自然環境や歴史、文化、産業、地域住民とのかかわりを通して、ふるさと帯広への誇りや愛着を育む教育を推進する。

　生涯学習においては、誰もが生涯にわたって自らの成長や自己実現に必要な知識や技能を学び、その成果を地域社会に主体的に生かすことができるまちづくりを進めていくため、世代を

超えた多様な学びのきっかけづくりや、生き生きと活躍できる環境づくりに取り組む。

　学校や生涯学習施設においては、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと講じた上で、市民が様々な学びや活動を継続できるよう取組を進める。

▼夢の実現に向けて自立し　互いに支え合う人づくり

　市エリア・ファミリー構想を基盤として、各エリアの状況に応じた小中一貫教育の推進を図り、義務教育９年間を通した教育課程や指導体制の構築に一体的に取り組むほか、コミュニティ・スクールの導入校の拡充に取り組み、学校・家庭・地域が目指す子ども像を共有し、連携・協働した活動を推進していく。

　ＩＣＴの効果的な活用によって、児童生徒一人ひとりの可能性を引き出す個別最適な学びの実現を目指すとともに、子どもたちの読書環境充実のため、学校図書資料等を整備する。

　施設整備については、老朽化への対応や、長寿命化改修のほか、教育環境の充実と活力ある学校づくりを進めるため、大空小学校と大空中学校を統合した施設一体型の義務教育学校の整備を進める。

　学校給食については、子どもたちの健やかな成長のため、安全・安心な地場産食材を活用した帯広らしい給食の提供や、地元生産者との交流などによって、十勝・帯広の基幹産業である農業への理解を促進する。

　帯広南商業高校については、十勝管内唯一の商業専門高校として、専門的な知識・技術を身に付け、地域社会で即戦力となる教養を備えた人材の育成を目指していく。

▼生涯にわたり学び　活躍できる人づくり

　生涯学習の推進については、コロナ禍においても事業実施の工夫や、特色を生かした学びの活動によって、継続的に学びに取り組む機会を確保していく。

　児童会館においては、子どもたちの知的好奇心や探求心を喚起するため遊具等を更新するほか、おびひろ動物園においては、アザラシ舎改修や園路整備などを進め、魅力向上を図る。

　図書館においては、電子書籍の導入などによる読書機会の充実のため電子図書館機能の供用を開始する。

　文化芸術活動の推進については、市民芸術祭や道立帯広美術館と連携した事業など、市民主体の文化芸術活動の支援や優れた芸術鑑賞機会を提供するほか、関心が高まっているアイヌ文化の普及・啓発や、アイヌ民族への理解を促進するため、帯広百年記念館など緑ヶ丘公園の３施設連携によるアイヌ文化とのふれあいゾーンを形成する。

　スポーツ活動の推進については、日本学生氷上競技選手権大会やフードバレーとかちマラソン大会の開催などを通して、誰もが生涯にわたってスポーツに親しむ機会の提供や、にぎわいと交流を促進する取組を進める。

　社会教育、文化、スポーツ施設については、長期的な視点をもって、それぞれが効果的に機能を発揮するよう、計画的な施設の改修、長寿命化に取り組み、適切な管理運営に努める。

(市町村 2021-03-30付)