湧別町教委　北大と連携し授業づくり　９年間の連続性を考慮　湧別小・中対象　６月授業公開

（市町村 2021-04-02付）

　【網走発】湧別町教委は本年度から、町と北海道大学大学院教育学研究院が締結した連携協定を活用し、教育学研究院の守屋淳教授と連携して授業づくりに関する研究に取り組む。令和５年度に義務教育学校となる予定の湧別小学校と湧別中学校を対象校とし、子どもが学びの主体となる授業や、９年間の学びの連続性を考慮した授業づくりなどを目指す。６月１７・１８日に守屋教授を招へいし、両校で授業公開と研究協議を行う予定だ。

　湧別町は２年１月、地域社会を支える人材の育成を目的に北海道大大学院教育学研究院と連携協定を締結。地域活性化、生涯学習、学術研究などの分野で相互に協力・発展することとしている。取組は、この連携協定を活用したもの。

　町教委は、２年度から湧別町型学校力向上事業を展開。公開授業や校内研修などを通して中心校・湧別小の研究内容を発信し、町内すべての教員の指導力向上を図り、町内全体の学力向上につなげることを目指している。

　５年度に義務教育学校への移行を控える湧別小と湧別中では、その取組の中で相互の授業参観交流を推進。

　町内における授業改善のポイントとして示されている、①子どもたちが「どのように学ぶのか」という学びの過程を大切にする授業②身に付けたい力を明確にした単元づくり③子どもたちのアウトプットがある授業④小・中学校の９年間において、子どもたちの発達段階に応じた学びが連続した授業―の４点に基づき、授業改善について検討してきた。

　守屋教授は、「主体としての子どもの学びと、それを支える教師の在り方」について研究しており、湧別町が目指す授業改善の方向性とも共通する部分があることから、連携して研究を進めることとした。６月１７・１８日の２日間、守屋教授を招へいし、両校で授業公開と研究協議を行う予定。

　取組の成果は、ほっかいどうチャレンジテストや全国学力・学習状況調査、児童生徒アンケートの結果などを通して検証することとしている。

　町教委の佐藤大指導室長は「子どもが本来もっている力を最大限に発揮できる授業づくりを進めていきたい」と話す。

(市町村 2021-04-02付)