むかわ町３年度教育行政執行方針　中学校で習熟度別指導　災禍に負けない教育推進

（市町村 2021-04-08付）

むかわ町教委・長谷川教育長

　【室蘭発】むかわ町教委の長谷川孝雄教育長は令和３年度教育行政執行方針において、防災教育や新型コロナウイルス感染症予防の教育に力を入れていく考えを示した。デジタル教科書やタブレット端末を活用し、これからの時代を意識した新しい教育も取り入れていく必要性を訴えるとともに、中学校で習熟度別少人数指導などにも取り組んでいく考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼はじめに

　北海道胆振東部地震からの復旧・復興の最中におけるコロナ禍など、私たちの暮らしや生活様式が急激に変化する中で、教育を取り巻く環境の変化も加速化している。

　自然災害から身を守り生き抜く力、社会の変化に対応し、これからの情報化時代を生き抜く力、ウイルスから身を守り、健康を維持する生き抜く力など、幾重もの知識や能力を習得しなければならない。

　防災教育やウイルス感染症予防の教育がより重要となることはもとより、デジタル教科書やタブレット端末を活用し、これからの時代を意識した新しい教育も取り入れていかなければならない。教育は、これからの社会を支える人材を育てることであり、その社会が変化していく中においては、教育の方法も変わっていかなければならない。

　「地方創生と復興は教育から」という信念を貫き、加えて、コロナ禍における教育、そしてその先の時代の教育は不易流行の理念をもって、災禍に負けない教育行政を推進していく。

▼確かな学力の育成

　小学校においては、チーム・ティーチングなど、きめ細かな指導を行うための体制を確保していく。中学校においては、学習内容が高度化し、個々の能力に合った指導が必要となることから、習熟度別少人数指導などに取り組んでいく。

　小・中学校ともに新学習指導要領が全面実施されることから、これからの人生を生き抜くために必要な資質・能力を踏まえ、外国語指導やプログラミング教育の充実を図っていく。

　放課後や夏・冬休みの一部を利用した補充サポート学習によって、分かる授業で確かな学力の育成に努め、ｅラーニングシステムを活用しながら、学習習慣の定着を図っていく。

　鈴木章記念事業推進基金を活用し、高校生の学力向上と併せて、これからの地域を担う人材の育成を目的に公営塾を開設し、むかわの高校生に学びの場を提供するとともに、大学進学等奨励金の給付を行っていく。

▼道立高校の魅力化支援

　町との包括連携協定に基づき、鵡川・穂別両高校の魅力化を支援していく。

　鵡川高については、中高一貫教育を継続・充実し、「むかわ学」を通じて地元理解を深める取組を支援していく。また、生徒寮の運営や地域みらい留学３６５事業により留学してくる生徒を、まち全体で受け入れ関係人口の増加や地域の活性化につながるような取組を進めていく。

　穂別高については、小中高ふるさとキャリア教育推進事業や穂星寮の充実など、穂別にしかできない穂別高ならではの取組を支援し、「入学してよかった」と感じられる学校づくりを推進していく。

(市町村 2021-04-08付)