知内町３年度教育行政執行方針　認定こども園　開園へ準備　小学校統合へ　協議継続

（市町村 2021-04-07付）

知内町教委・本間茂裕教育長

　【函館発】知内町教委の本間茂裕教育長は令和３年度教育行政執行方針において、４年度の知内幼稚園、知内保育園、湯の里保育所を統合した認定こども園の開園に向け、幼稚園と保育園の交流や職員研修を実施していくとした。ＩＣＴ教育では、デジタル教科書の活用や教師の指導力向上に向けた研修など、１人１台端末の環境への対応も進めていく。小学校の統合についても、協議していく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学びの質を高める施策の推進

　幼児教育については、４年度に公私連携幼保連携型認定こども園が開園予定。教育・保育の一体化に努め、豊かな遊びや交流を通して園児たちの心身の成長を図る。開園の前年に当たり、統合する幼稚園・保育園両園の交流や職員研修に取り組む。小学校体験入学や出前授業等をはじめ、幼保小のつながりを大切にする。

　特別支援教育については、インクルーシブ教育の理念を踏まえ、交流・共同学習を推進し、一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導・支援に努める。併せて、合理的配慮協力員や実態に即した支援員の配置を継続することで支援体制の充実を図るとともに、特別支援協議会・教育支援委員会を軸にした学校間・校種間・教育委員会・保健センターとの連携を図る。

　英語教育の充実については、小中高英語教育支援事業に取り組み、小中高１０年間の系統的な指導体制づくりを推進し、２年度に配置の英語専科教員については小学校の教科担任制の長所を生かし、児童の聴く・話す・読む・書くのバランスの取れた英語力と積極的にコミュニケーションを図ろうとする資質を育む。

　ふるさと納税を活用した町の未来を担う人材育成に対する支援として外国語指導助手２人体制を継続し、児童生徒が生きた英語にふれ合う機会の拡充を図る。

　ＩＣＴ教育については、ＩＣＴ支援員事業をさらに拡大し、デジタル教科書の活用など、教師の指導力向上研修の充実を図る。併せて、学校には高速大容量の通信環境を整備し、町内の小中学生には１人１台の端末を配備する。

▼学びを支える施策の推進

　コミュニティ・スクールについては、将来的な園・学校の再編成や地域学校協働本部との連携も踏まえ、連絡会議・研修の充実を図っていく。

　小学校の在り方については、昨年５月から学校運営協議会、保護者、地域との協議を進めてきた。少子化による児童数・学級数・教職員数の減少等、児童たちを取り巻く教育環境の低下が進行していることから、今後の学校教育の在り方を踏まえて統合について具体的な協議を継続していく。

　学校の働き方改革については、保護者・地域の理解をいただきながら、定時退勤日や学校閉庁日の設定、部活動方針の推進、ＩＣカードによる勤務時間管理等に取組んでいる。今後も教職員が健康でやりがいをもって働くことのできる環境づくりに向けて努力していく。

▼地域創生・国際理解に学ぶ知内高校の推進

　知内高校については、若者の可能性を引き出す町立の全日制普通科高校として、多様な進路ニーズに応える混合型教育課程のもと習熟度別学習や個別指導など、きめ細かな教育活動に取り組む。特に、グローカル人材の育成に向けて、海外見学旅行・短期留学事業をはじめ実践的な地域創生学習やSDGｓ学習を生かした国際理解教育・キャリア教育を推進する。

　身に付けさせたい資質・能力として「協力する力、考え抜く力、粘り強く取り組む力」を意識した学習・学校行事・部活動を通して、文武両道の高校づくりを目指し、進路ガイダンスやスタディ・サプリ、各種検定助成事業を通じて進路実現のためのサポート体制の充実を図る。

　遠隔地からの入学生については、実社会で必要な主体性・協調性や自立的な生活習慣を身に付ける寮生活・下宿生活を支援していく。

(市町村 2021-04-07付)