小中一貫教育充実・発展目指し　義務教育学校へ移行　４年度から　比布町教委

（市町村 2021-04-07付）

　【旭川発】比布町教委は、平成３１年度から校舎一体型の小中一貫教育に取り組んでいる中央小学校と比布中学校を、令和４年度から義務教育学校に移行する方針を示した。これまでの教育活動をさらに充実・発展させるための環境を整備。３月上旬に開いた保護者説明会で北川範之教育長は、社会に必要な力を育成するための義務教育学校への移行に向けて理解と協力を求めた。

　町は、道教委の指定を受け平成２６年度から小中一貫教育の研究実践に取り組み、３１年度から小中一貫校をスタートさせた。前年の３０年度には比布中を中央小の隣接地に移転新築して渡り廊下でつなげ、一貫教育推進の環境を整えている。

　中学校教員による乗り入れ授業や出前授業に取り組む中で、小・中学校の授業開始時間を合わせる工夫を行ってきたほか、小・中教職員の合同研修、小中合同行事などを展開してきた。

　これらの取組の成果や課題を踏まえ、９年間一貫した教育をさらに充実・発展させるため、４年度からは６―３制の義務教育学校として開校。

　新たな校名や校章、校歌等については、今後、年度内に決定。すでに校舎一体型の小中一貫校としての土台があるため、新たに準備委員会等は設置せず、これまでの運営組織の中で日課表や校務分掌などについて具体的な調整を行っていく。

　３月９～１１日にかけて開催した保護者説明会で北川教育長は「これまで積み上げてきた小中一貫教育の成果をさらに充実・発展させるため、小中一貫教育を安定かつ持続可能なものにしていくことが大切」と説明。子どもたちに社会的変化を乗り越える力、自ら判断し考える力を身に付けさせるために「新しい教育を発信していきたい」と話し、保護者に理解と協力を求めた。

　参加者からは、義務教育学校におけるＰＴＡや児童会・生徒会の在り方、授業時間の違いなどについて質問が上がった。

　管内の義務教育学校としては、占冠村立トマム学校が２９年度に開校。４年度に富良野市で樹海学校、６年度には名寄市で仮称・智恵文義務教育学校の開校が予定されている。

(市町村 2021-04-07付)