国研教育課程研究指定校事業 外部資源を有効に活用 網走南ケ丘高が成果報告書
(学校 2021-04-08付)

 【網走発】網走南ケ丘高校(渡辺淳一校長)は、国立教育政策研究所「教育課程研究指定校事業(カリキュラム・マネジメント)」の研究成果報告書をまとめた。カリキュラム・マネジメントの3つの側面に基づき、各種調査等による生徒の実態把握、表現力育成を重点とした単元配列表の作成、総合的な探究の時間を軸とした課題探究型学習プログラムの展開、外部資源の積極的活用などの取組を推進。生徒の表現力育成につなげたことなどを示している。

 同校は、令和元年度から2年度の2年間、事業の指定を受け、研究主題「カリキュラム・マネジメントの確立による教育活動の質の向上~カリキュラム・マネジメントの3つの側面を踏まえた校内体制の確立による“探究心と向上心を培い、課題解決に必要な学力を育む”ための研究」のもと、研究に取り組んできた。

 元年度は、生徒の現状分析などをもとに、英語、保健体育、公民、情報を中心とした教科横断的学習プログラム「Project01」を展開した。

 その成果と課題などを踏まえ、2年度は主に、①新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生徒の実態把握および対応②表現力の育成に重点を置いた単元配列表の作成③総合的な探究の時間の改善・充実④外部資源の活用―の4点について取組を進めた。

 ①では、新型コロナウイルス感染症拡大による臨時休業中や学校再開後に各種調査を実施し、生徒の実態を把握に努めた。その結果、学習・進路をはじめ様々なことに関する不安がみられたことから、スクールカウンセラーを積極的に活用し、教育相談を充実。生徒の不安を取り除くとともに、自身の思いを表現できる機会を創出した。

 ②では、元年度の取組の結果から生徒の表現力や主体的に学習に取り組む態度に課題がみられたこと、感染症の影響で生徒の表現の機会が減少したことなどを踏まえ、表現力の育成に重点的に取り組むこととし、単元配列表を作成。表現力育成に向けた仮説として、「グループによる課題探究型学習や教科横断的な学習」「ホームルームを中心とした集団活動」を設定した。

 ③では、元年度の取組を踏まえ、1年生を対象に、総合的な探究の時間を中核とした課題探究型学習プログラムを展開。また、体育と総合的な探究の時間が連携した取組として、学級単位で創作ダンスを披露する天下一舞踏会を実施した。

 ④では、伝統行事・網走湖一周強歩遠足でPTAから準備や運営にかかる協力を受けた。このほか、道教委事業を活用して外国人留学生や近隣の小・中学校と交流する機会を設けたり、網走市・市教委と連携したボランティア活動を実施したりした。

 成果と課題を踏まえた今後の取組として、表現力育成に向けて単元配列表を効果的に活用し、教科等横断的に表現の機会を確保するなど一層の授業改善を図ることを示した。

 また、生徒のデータを蓄積して継続的に評価し、教育活動の改善を図ること、総合的な探究の時間などで生徒が探究した内容について外部に発信する機会を充実させ、コミュニケーション能力や課題解決能力、表現力などの育成を図ることを挙げた。

(学校 2021-04-08付)

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