興部町３年度教育行政執行方針　校務支援システム運用　子と向き合う時間確保へ

（市町村 2021-04-08付）

興部町教委・畑山教育長

　【網走発】興部町教委の畑山研二教育長は令和３年度教育行政執行方針において、２年度から試行してきた校務支援システムを正式に運用する考えを示した。教職員が子どもたちに向き合う時間の確保など、働き方改革につなげる。また、沙留小学校の複式学級解消に向けて、本年度も町費による臨時教員を配置する。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力を育む教育の充実

　家庭での学習習慣の定着のため、学習内容や目安等をまとめた学年別の『家庭学習の手引き』を配布し、積極的な活用を促していく。

　小中学生を対象に、興部高校生による学生ボランティアを活用し、長期休業中における学習環境を提供し、補習学習サポートを実施していく。

　各教科の指導にあっては、チーム・ティーチングなど個に応じた指導に取り組んでいく。

　学力向上の取組として、全国学力・学習状況調査や標準学力検査によって明らかになった成果や課題を踏まえ、チャレンジテストの活用や補充学習など、学力向上のための取組を進めるとともに、下位層の児童生徒の学力向上に努めるなど、基礎学力の定着に努めていく。

　継続した学びを確保するため、小学校新１年生に対してのスタートカリキュラム、児童生徒一人ひとりのキャリア・パスポートを作成する取組を進め、幼稚園等から高校へと各学校間・校種間で引き継ぎ、これらを活用し途切れることのない、つながる教育を目指していく。

　３年度も沙留小学校においては児童数の減少によって、国の学級編制基準に基づき複式学級となる学年が生じることから、町の臨時職員として教員を雇用し、複式学級の解消と学力の維持向上・指導体制の充実を図っていく。

　普通学級に在籍する児童生徒で、授業や学校生活指導など個に応じた教育的支援を必要とする学校に対しては、特別支援教育支援員を配置し、教員の負担軽減と学校の円滑な運営を図るため支援を継続するとともに、研修会を実施し資質の向上にも努めていく。

　外国語教育については、小・中学校ともに、コミュニケーションにおける見方・考え方の育成が重視されることから、教員に対し外国語教育研修への参加を促すとともに、中学校と連携し、英語担当教諭の乗り入れ授業、また、３年度もＡＬＴ（外国語指導助手）１人を小・中学校に派遣し、英語力向上に努めていく。

　教職員の指導能力向上および働き方の改善について、２年度から試行してきた校務支援システムを正式に運用し、ゆとりをもって子どもたちに向き合う時間の確保に向けた取組を進めていく。

　ＩＣＴ環境の整備・活用について、情報活用能力の育成、授業改善や教員の負担軽減、臨時休業中における学習支援などに資するため、適切に活用するとともに、教員への研修会を実施して環境整備を進めていく。

▼信頼される学校、地域と支え合う学校づくりの推進

　学校運営協議会の活動を通じて、地域とともにある学校づくりを一層進め、家庭や地域が学校運営の基本方針や活動計画などを共有し、開かれた学校づくりをさらに推し進めるとともに、教育活動および学校運営の改善につなげるための学校自己評価、児童生徒や保護者向けアンケートなどの取組を充実させ、児童生徒、保護者、地域等の意見が反映された学校づくりを推進していく。

　また、町広報紙を活用した教育活動の掲載や、学校だよりを公民館ロビーに掲示し地域住民に学校の情報を提供するとともに、気軽に誰もが学校を訪問し見学できるようオープンスクールの日を設け、開かれた学校づくりに努めていく。

▼興部高校への支援

　生徒確保や高校存続のため、継続して入学準備金の補助をはじめ、通学費、部活動支援、見学旅行経費の一部補助、大学進学対策費など様々な支援策を講じてきている。

　３年度は１５人の受験となっており、基本的な存続要件の２０人以上の確保に至らず、今後とも再編を留保するための様々な支援策を講じるとともに、興部町間口確保対策協議会や西紋地区教育文化振興会とも連携を図りながら、特色ある教育活動の充実、地域にある魅力ある高校づくりに向けた支援に取り組んでいく。

(市町村 2021-04-08付)