厚沢部町３年度教育行政執行方針　ＩＣＴで合同児童会　学習履歴共有し小中連携

（市町村 2021-04-08付）

厚沢部町教委・鈴木教育長

　【函館発】厚沢部町教委の鈴木聡教育長は令和３年度教育行政執行方針において、１人１台端末の整備が完了したことから、プログラミング教育等を推進するとともに、遠隔システムを使用して小学校３校合同の児童会や生徒会でのいじめ根絶に向けた協議を行っていくとした。小・中学校の連携については、データ化した児童生徒の学習履歴などを共有し、継続的で一貫した指導の充実を図っていく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【社会をしなやかに強くたくましく生き抜く力の育成】

　全国学力・学習状況調査等の結果をもとに学力向上に努めることはもちろん、新学習指導要領の着実な実施の中、ICTを活用した教育活動の質を向上させ、学習効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントによる主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を組織的に進めていく。

　個別最適な学びについては、もとより整備を進めていた授業用タブレット、実物投影機や電子黒板等に加え、GIGAスクール構想による１人１台端末、Wi―Fi環境整備、デジタル教科書など、ICT機器を活用し、児童生徒個々に応じた「分かる・できる」を実感させられる魅力ある授業指導の一層の充実を図るとともに、２年度から積極的に取り組んでいる小学校プログラミング教育のさらなる推進と、児童生徒の望ましい情報活用能力や情報モラルの育成に努めていく。

　習熟度別少人数指導やチーム・ティーチング等による個別最適な学びと協働的な学びを一体的に行う効果的な学習指導の充実に取り組むとともに、探究的な学習や体験活動を通し、主体的・対話的で深い学びの実現に努めていく。

　小学校外国語教育の充実・発展に向け、２年度実施した巡回教員による授業をベースに各校の５・６年生学級担任が授業展開し、加えて、中学校英語教員による小学校乗り入れ授業の推進に一層努めていく。

　児童生徒の基礎的な外国語コミュニケーション能力の育成については、ＡＬＴ（外国語指導助手）の学校訪問など英会話の実践的学習を計画的に進めるとともに、遠隔システムを活用し、ＡＬＴの母国や町内３小学校をつないでの外国語によるコミュニケーション等を一層推進し、外国語活用能力の向上に努めていく。

　小中全学年においてキャリアパスポートを作成し、小中９年間の一貫したキャリア教育推進に努める。

【豊かな人間性と健やかな体を育む教育】

　ICT機器を活用した遠隔システムによる３校合同児童会や生徒会でのいじめ根絶に向けた協議を通して、望ましい人間関係の構築に向けた指導育成に努めていく。

　不登校児童生徒への対応としては、学校や家庭、関係機関との密な連携のもと、不登校の兆候を早期に把握するとともに、慎重な調査と学校間での情報共有および対応策の検討など、組織的な取組を継続・推進していく。

　スクールカウンセラーの配置を継続し、不登校児童生徒や、保護者へのカウンセリングおよび教職員への助言など、適切な支援を引き続き行っていく。

　さらに、小４ビハインドや中１ギャップ等の、各成長段階での学習内容や教育環境の変化によるつまずきを主な要因とする不登校の解消に向け、小学校交流や小学６年生の中学校登校の継続に加え、小学５年生の中学校登校を実施し、各段階へのスムーズな転換や接続を図っていく。

　そして、３年度は、各校CS（コミュニティ・スクール）はもちろん、小中合同CSにおいて、小中一貫教育の検討とともに、いじめの根絶と不登校の解消に向けた協議を進めていく。

【信頼される学校づくり】

　認定こども園と小学校の連携・協力によって、小１プロブレムの解消やアプローチカリキュラムとスタートカリキュラムの相互理解による、スムーズで効果的な接続の推進に引き続き努めていく。

　小・中学校間の円滑な接続のため、町スタンダード５の共通理解と児童生徒一人ひとりのスタディログ（学習履歴）をはじめとしたデジタルポートフォリオの作成と引き継ぎによる、確かな学力と豊かな心身の育成に向けた、的確でズレのない一貫した連携指導に努めていく。

(市町村 2021-04-08付)