札幌市教委３年度学校教育の重点　第７回　体育・健康の課題　自ら発見　知・徳・体の調和のとれた育ち

（札幌市 2021-04-20付）

◆健やかな体の育成②

　各学校において、健やかな体の育成に向けた取組を効果的に推進するためには、学校・家庭・地域の連携が必要。「健やかな体」育成プログラムの目標や重点と、その達成に向けた取組について、以下の４つの視点から、ＩＣＴ（１人１台端末）の活用を図りながら、カリキュラム・マネジメントを充実させていくことが重要。

【カリキュラム・マネジメントの４つの「視点」】

▼教師と子どもとの共有

▽健やかな体をつくる目的の理解を深め、子どもの意欲を引き出す

▽感染予防に配慮するとともに、体育・健康に関する課題を、子どもが自ら発見し、目標をもって健やかな体づくりに取り組める手立てを講じる

▽子どもの活動や取組について適切に評価することによって、子どもが自分の伸びを実感する

　実践例「ボールゲーム」

　子どもの発達の段階や技能の習熟の程度などに合わせて、パスの出し方や受け方の工夫を促し、子どもが得点する喜びを味わえる授業。

〈例〉

▽攻撃＝２人または３人、守備１人

▽守備者がいるゾーンはパスを転がして通す

▽パスを通せたら、的（まと）に向かって思い切りシュートができる

▼校内における教師間の共有

▽目標や取組の重点を全教職員で確認し、共通理解を図る

▽取組の成果と課題を定期的に確認し、適宜改善しながら学校全体で取組を進める

　実践例「全教職員で指導体制を工夫した取組」

　子どもの日常生活における運動量について、歩数計での調査や生活習慣アンケートによって明確にした課題を校内の教師間で共有し、子どもが自らの課題の改善を目指した活動を考えることを促すとともに、運動の日常化への意欲を引き出す環境を整備する取組。

▼学校と家庭・地域・外部人材との共有

▽目標や取組の重点について、家庭や地域、外部人材と共通理解を図り、協力しながら取組を充実させていく

　実践例「助産師を活用した性に関する指導の充実」

　助産師を講師として活用し、生命を尊重する心、自他の心と体を大切にする態度、性に関する正しい知識をもって適切に行動する力を育むことを目的として、生徒の実態に応じた「性に関する指導」の充実を図る取組。

▼学校間の共有（小中一貫した教育の視点）

▽効果的な取組を積極的に発信・受信する。学校間（幼小・小小・小中など）で取組を交流し、成果や課題を見いだした上で、連続性・発展性を重視して取組を工夫改善する

〈例〉

▽幼児児童生徒の交流

▽教職員の授業交流や合同研修

▽小中パートナー校で一貫した「健やかな体」育成プログラム

実践例「小中パートナー校で連携して“健やかな体”の育成を図る取組」

　小中一貫した教育の視点で、パートナー校間で健やかな体の育成にかかる地域の課題を明らかにするとともに、課題の改善に向けた９年間を通した計画の作成と取組の実施。

【札幌らしい「オリンピック・パラリンピック教育」の推進】

▼「ふるさと札幌」を心にもつ学び

▽全校に配布している副教材や教師用指導資料、実践事例集を活用し、スポーツの意義や価値等にふれ、冬季オリンピック大会を開催した札幌市の歴史と伝統を踏まえた、ふるさと札幌への思いを心にもつ学びを充実する

▽オリンピック・パラリンピックの理念を基盤として、他者との共生の思いをもちながら生涯にわたって運動やスポーツに楽しむ態度の育成を図る

▼関連施設、人材を活用した体験的な学習

▽スポーツ関連施設を活用した体験的な学習やオリンピアンなどの大会に参加した選手を招いた学習など、体験を重視した取組の工夫を図る

(札幌市 2021-04-20付)