札幌市教委３年度学校教育の重点　第８回　つながりと発信　重点に　札幌らしい特色ある学校教育の推進

（札幌市 2021-04-21付）

　札幌らしい特色ある学校教育は、「雪」「環境」「読書」の３つをテーマに、すべての園・学校が共通に取り組むもの。札幌の素晴らしい自然環境・人的環境・文化的環境などを生かしながら、体験的な活動や、生涯にわたり学び・向上し続けようとする意欲を培うための基盤となる学習活動を教育課程に明確に位置付け、知・徳・体の調和の取れた学びを推進する。

　取組開始から１０年を経て、令和元年度から、取組の一層の充実を図るため、「幼・小・中・高のつながりを意識する視点」と「発信」を重点項目としてリニューアルした。

▼すべての園・学校が共通に取り組む３つのテーマ

▽雪国札幌を考える「雪」

　札幌の大切な特色の一つであり、札幌らしさを学ぶための貴重な資源である雪を通して、ふるさと札幌への思いを強め、雪に親しみ、雪と共生しようとする心を培う。

▽未来の札幌を考える「環境」

　「環境首都・札幌」宣言に基づき、さっぽろ地球環境憲章を制定した札幌の市民として、四季折々の美しい自然と豊かな文化を次世代に伝え、地球と札幌のよりよい環境を創造しようとする心を培う。

▽学びの基盤となる「読書」

　読書によって言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かにするとともに、知的好奇心を膨らませ、一生涯にわたり学び続けようとする心を培う。

〈学校図書館の利活用〉

　市では、司書資格や図書館実務経験をもつ市民から募集した学校司書の配置（中学校全校）や、学校図書館ボランティアの派遣、寄託図書の整備などによって、学校図書館運営の充実を図っている。

　校長を館長とし、司書教諭（学校図書館担当者）をはじめとした教職員、学校司書、学校図書館ボランティアが連携するなどの組織的な活用が重要。

〈学校におけるＳＤＧｓへのアクション〉

　ＳＤＧｓの理念である持続可能な社会を築くためにどのような行動ができるかを、子どもと共に考え、３つのテーマと関連させて取り組むことも考えられる。

【幼・小・中・高のつながりを意識する視点】

▼つながりを意識する視点について

　異校種間で情報共有や連携した取組を進めるには、つながりの視点を具体的にもつことで、学年段階や校種間の違いによる子どもの学びや育ちの側面から、活動内容等を整理し直すことによって、学習効果の最大化が期待できる

▼つながりの視点の具体例

▽資質・能力の明確化

▽教育課程への具体的な位置付け

▽学校・校種間の連携

▽地域・外部人材の効果的な活用

▽取組成果の再評価・新たな価値付け

▼つながりの視点の活用例

　取組を進めていくため、年度ごとや「雪」「環境」「読書」ごとに、具体例を参考として、重点テーマを設定するなどの方法が考えられる。

【発信】

▼学校からの発信

　他校への発信、他校種への発信、地域への発信、保護者への発信（ホームページ、学校だより、発表会等）。

〈発信から情報共有へ〉

▽情報共有することで、「幼・小・中・高のつながりを意識する視点」を生かしやすくなる

▽保護者や地域の人に、学校の取組を理解してもらうことができ、協力が得やすくなる

▼幼児児童生徒からの発信

　学びの成果（自己の成長）の発信。

　「雪」「環境」「読書」で育成した態度、思考力・判断力。

〈表現活動を通すことで、確かな力の一層の育成〉

▽子どもの一層の成長が期待できる

▼発信とコラボレーション（つながり）の例

▽「雪」「環境」「読書」のつながり

　「読書」を土台とした「環境」もしくは「雪」の取組成果の発信。

　「雪」「環境」「読書」の関連を図った取組成果の発信や、それぞれの取組成果を総合的に発信。

▽校種を超えた子どもや教職員のつながり

　異校種間での幼児児童生徒による発信による子どもや教職員のつながり。

▽保護者や地域とのつながり

　保護者や地域の人への「雪」「環境」「読書」の取組内容や成果の発信表現力、知識・技能を自己表現できる力につなげる。

(札幌市 2021-04-21付)