札幌市教委3年度学校教育の重点 第9回 組織的・計画的にICT活用 特別な配慮を必要とする子どもへの教育(札幌市 2021-04-22付)
子ども一人ひとりの発達を支える視点から、障がいのある子ども、不登校の子ども、海外から帰国した子どもや日本語の習得に困難のある子どもなど、特別な配慮を必要とする子どもへの教育を推進する。個々の実態に応じた指導内容やICTを活用するなどの指導方法の工夫を、学校として組織的かつ計画的に行うことで、特別な配慮を必要とする子ども一人ひとりの教育の充実を目指す。
【子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育】
共生社会の形成に向けて、障がいのある子どもと障がいのない子どもが可能な限り共に学ぶことに配慮しつつ、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導内容や指導方法の工夫を、組織的かつ計画的に行う。
▼子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じる連続性のある多様な学びの場
子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた学びの場において特別支援教育を進めるとともに、就学時に決定した学びの場は固定したものではなく、その時点での子どもの発達の程度や適応の状況等を踏まえて柔軟に変更できることについて、学校と保護者が共通に認識することが大切。
▽通常の学級
学びのサポーターを活用したり、特別支援教育巡回相談員の助言を生かしたりしながら校内の支援体制を充実させ、学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を行う。
▽通級による指導
在籍している通常の学級と連携を図りながら、特別支援学校学習指導要領に示される自立活動の内容を参考とし、具体的な目標や内容を定め、指導する。
▽特別支援学級
特別支援学校学習指導要領に示される自立活動を取り入れ、子どもの実態に応じて、各教科の目標や内容を下学年の目標や内容に替えたり、知的障がい者である子どもに対する教育を行う特別支援学校の各教科に替えたりするなどして、特別の教育課程を編成する。
▽特別支援学校
多様な障がいの状態や特性に応じた指導内容・指導方法を工夫するとともに、小・中学校等への相談支援など、特別支援教育に関するセンターとしての役割を担う。
▼交流および共同学習の推進
障がいのある子どもと障がいのない子ども双方の社会性や豊かな人間性を育むために、交流および共同学習の一層の推進に努める。
▼障がいのある子どもへの合理的配慮
障がいのある子どもに対して、過重な負担のない範囲で、教育活動への参加の機会を確保するために必要かつ適当な変更・調整する合理的配慮を行い、学習活動の充実を図る(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律にかかる札幌市立学校職員における対応要領理念・事務手順編および『別冊取組集』参照)。
▼個別の教育支援計画を活用した切れ目ない指導・支援の充実
『サポートファイルさっぽろ』を活用し、学校卒業後までを見通した個別の教育支援計画の作成、活用を進め、保護者や関係機関と連携して、切れ目ない指導・支援の充実に努める。
【新たな不登校を生まない未然防止の取組と組織的・計画的な不登校支援】
▼未然防止~新たな不登校を生まない学校づくり
児童生徒にとって、心の居場所と絆づくりの場となるような学校づくりを行う。
学業不振や新型コロナウイルス感染症による登校不安など、児童生徒の状況に応じて柔軟に対応する。
日常的に不登校の予兆をキャッチし情報共有するとともに、教育相談を実施する。
▼早期発見・早期対応~チーム体制による迅速・丁寧な初期対応
前年度の欠席状況等を小・中学校間(パートナー校)や学年間で丁寧に引き継ぎ、不登校が心配される児童生徒を把握しておく。
欠席「1日目 電話」「2日目 手紙」「3日目 家庭訪問」など、迅速に対応する。
担任だけで抱え込むことがないよう体制を整え、支援の方針など、情報共有を図る。
▼将来の社会的自立に向けて~長期化への対応と保護者支援
継続的なかかわりによって児童生徒の状況や変化を把握し、別室登校や放課後登校など、個々の状況に応じた学習支援や相談支援等を行うことができるよう努める。
校内学びの支援委員会やケース検討会議を通して、支援の手立てや役割を明確にし、定期的に情報を共有する。
日ごろから学校全体で保護者が相談しやすい雰囲気づくりに努め、保護者の困りに寄り添い、関係性を築く。
教育相談室や教育支援センターなどの関係機関について保護者に説明するとともに、民間施設を含め、関係機関につながった際には連携を図るよう努める。
▼学校復帰の兆しがみえたときの対応
子どものペースに合わせた学校復帰への手立てを保護者・本人に提案するとともに、安心して登校できる環境を整え、全教職員が同じスタンスかつ温かい雰囲気で迎え入れる。
学校復帰のみをゴールととらえるのではなく、保護者と連携を図りながら支援を継続する。
【帰国・外国人児童生徒等に対する教育の充実】
海外からの帰国や来日などによって、日本語指導が必要な子どもに対して一人ひとりに応じた日本語指導計画を作成し、教師間および日本語指導協力者と子どもの様子を共有しながら指導する。
また、日常生活や学習に必要な言葉の習得にかかる指導方法や教材を工夫改善していくなど、きめ細かな支援の充実を図る。
▼不登校児童生徒、障がいのある児童生徒および日本語指導が必要な外国人児童生徒等に対する支援計画の統合について
不登校児童生徒、障がいのある児童生徒および日本語指導が必要な外国人児童生徒等についての支援計画を一つにまとめて作成する場合は、サポートファイルさっぽろを基本様式としながら、必要に応じて書式を一部変更したり、平成30年10月22日付通知「不登校児童生徒、障がいのある児童生徒および日本語指導が必要な外国人児童生徒等に対する支援計画を統合した参考様式の送付について」の参考様式「児童生徒理解・支援シート」の必要なシートを加えたりすることが考えられる。
(札幌市 2021-04-22付)
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