札幌市教委　学校水泳授業の方針　感染対策徹底し実施へ　プール濃度管理や換気を

（札幌市 2021-05-14付）

　札幌市教委は、前年度に新型コロナウイルス感染症の影響で中止した学校の水泳授業について、本年度は感染症対策を徹底した上で実施する方向で検討している。実施に当たり、学校環境衛生基準に基づき、プール水が全部分において基準濃度となるよう管理するほか、適切な換気を行うことなどを周知。授業中においては、児童生徒が不必要な会話や発声をしないように指導することや一斉に大人数の児童生徒がプールに入らないようにすることなどを呼びかけている。なお、実施の可否については、今後の感染状況に応じて変更するとしている。

　文部科学省とスポーツ庁は４月、通知「学校の水泳授業における感染症対策について」を各都道府県・指定都市教委担当課などに発出。体調が優れない児童生徒の水泳授業への参加は見合わせること、不必要な会話や発声をしないよう指導することなど、児童生徒の密集・密接が想定される水泳授業の留意点を周知した。

　前年度の学校の水泳授業にかかわって市教委は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止。本年度は感染症防止対策を徹底した上で実施する方向で検討している。

　学校プールについては、学校環境衛生基準に基づき、プール水の遊離残留塩素濃度が適切に管理されている場合、水中感染のリスクが低いと感染症の専門家から指摘されていることから、プール水が全部分において基準濃度となるよう管理するとともに、換気設備を適宜運転させるなど、適切な換気を行うよう周知。授業中においては、①児童生徒が不必要な会話や発声を行わないように指導すること②プールに一斉に大人数の児童生徒が入らないようにするとともに、プールサイドでも児童生徒の間隔を十分に保つこと③指導に当たって、児童生徒と一定の距離を保つよう留意し、やむを得ない場合は、ちゅうちょせず児童生徒の安全を確保するよう努めること―などを呼びかけている。

　これらの事項を踏まえ、授業の実施計画を立てる際、プールを使用する人数を制限するなどの対策を講じることで十分な授業時数の確保が難しくなることも考えられることから、学習指導要領に定める内容が効果的に指導できるよう事故防止等の水泳の心得にかかる学習を教室で行い、プールで行う学習活動の重点化を図り、時数を縮減するなど指導計画や指導方法等に努めるよう求めている。

　授業の実施に当たっては、感染症対策を含めた実施計画等について事前に児童生徒や保護者に十分な説明を行うよう周知。幼稚園においては、幼児が水浴場での活動や水を使った遊びを行う場合も幼児の実態や園の環境に応じた対策を講じることなどを呼びかけている。

(札幌市 2021-05-14付)