札幌市立高校進路探究セミナー　大事な選択は自分で　企業代表が重要性説く

（札幌市 2021-05-13付）

オンラインで開催した

　札幌市立高校・特別支援学校長会（黒宮裕久会長）は６・７日、オンラインで令和３年度市立高校進路探究セミナーを開いた。中屋敷左官工業㈱の中屋敷剛代表取締役が「学校では聞くことのできない、失敗しない進路の見つけ方」と題して講演。大手企業ではなく、家業を継ぎ、仕事に奮闘した経験から、大事な選択を自分で決める重要性を説いた。

　セミナーは、進路実現に向けた自己の理解や課題分析・解決について考えるとともに、自己の在り方を見据え、「社会に参画すること」について探究することがねらい。ことしで１９回目を数える。

　前年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、中止。参加予定だった生徒が作成した夢や目標に関する作文を取りまとめ、各校に提供するなどして、それぞれ進路探究学習の充実を図った。

　本年度はオンラインを活用した分散形式で開催。２日間で、全市立高校の１年生約１１００人が参加した。

　初日は、札幌旭丘を配信校に、札幌藻岩、札幌大通が参加。２日目は、札幌新川を配信校に、札幌清田、札幌平岸、札幌啓北商業が参加した。

　開会に当たり、黒宮会長と同会進路探究学習推進委員会の横関直幸委員長があいさつ。

　黒宮会長は「これから先の自分の生き方や人生を未来に向かってどうやって積み上げていくか、これからの高校生活をどのように過ごしていくかなどについて考えていくきっかけにしてほしい」と期待。

　横関委員長は「自分の生き方にかかわる大きな選択をしなければならないときに自らがしっかりと決断できるように準備をすることが高校生活で大切になる」と強調し、セミナーが今後の人生の土台づくりのプラスとなるよう期待した。

　引き続き、中屋敷代表取締役が「学校では聞くことのできない、失敗しない進路の見つけ方」と題して講演した。

　父親の死去に伴い、父親が経営していた左官会社を継ぐか、大手建設業者で働き続けるか選択を迫られた過去を紹介。左官会社を継ぎ、仕事に取り組み続けた経験を振り返り、「大事な選択は自分の心とじっくりと向き合って本当の自分はどうしたいのかを決めることが大切」と助言した。

　講演後には「私の夢・生き方の理想」をテーマに各校の代表生徒がパネルディスカッション。これからの高校生活や、進路についての考えを深めた。

(札幌市 2021-05-13付)