道教委・小玉教育長が退任会見　地学協働で地域創生を　本道発展へＩＣＴ教育充実

（道議会 2021-06-02付）

道教委・小玉教育長退任会見

　１日付で副知事に就任した道教委の小玉俊宏教育長は５月３１日、道庁別館で教育長退任記者会見を開いた。副知事として、引き続き子どもと学びを中心とした施策に尽力する考えを表明。今後の教育行政において、本道の発展につながるＩＣＴ教育の充実とともに、学校の学びと魅力向上、地域創生にも寄与する地学協働活動の推進に期待した。

　小玉教育長は、令和２年４月２８日に教育長就任。『リモート学習応急対応マニュアル』の作成、オンライン学習導入モデルの構築、家庭のネットワーク環境の整備を支援する「まなLabo」など、コロナ禍における学びの保障に向けた取組を推進してきた。

　教員の確保と地域創生に向けては、教員養成大学・市町村と連携してへき地・小規模校における教育実習やへき地体験実習に取り組む草の根教育システムを開始。部活動の集大成の場を失った生徒に晴れ舞台を提供する「もうひとつのクライマクスプロジェクト」など、官民共同の様々な事業を展開してきた。

　会見で小玉教育長は、感染症の影響で臨時休業を講じる学校が一定数ある中、多くが１人の陽性確認にとどまっていることから、地域全体の一斉臨時休業は「社会全体が止まる状況にならない限り考えていない」と強調。

　一方、部活動の大会参加など人流拡大に伴う感染拡大を懸念。保健委員会、部活動顧問会議などの組織を活用し、複数の視点で安全を確認する必要があるとし、「個の守りと地域の守りを固めて感染拡大を防ぎ、生徒の努力が報われるようにしたい」と述べた。

　今後、副知事として私学、幼稚園、専修学校などに関連した施策にかかわるとし「これまでと違う視点で、子どもと学びを中心に据えた施策に力を尽くしたい」と意気込みを示した。

　新教育長に引き継いでほしい施策に①子どもたちの命と学びの保障②ＩＣＴ教育の充実③地学協働体制の推進―を挙げ、ＩＣＴ教育については「大きな転換期であり、北海道の発展につなげてほしい」と期待。

　本年度の道教委における機構改正も踏まえ、地学協働体制が一層推進されるよう期待し「地域のつながりが学校や学びの魅力につながる。地域創生へとつながるユニークな取組を進めてほしい」と述べた。

(道議会 2021-06-02付)