札幌市立高・特校長会 2年度事業報告 研究紀要から 第4回(札幌市 2021-06-04付)
◆教育相談・特別支援 教育推進委員会①
【はじめに】
本推進委員会は、毎年つぎの5つの取組を継続的に実施し、多様な生徒の困りに寄り添う手立てや、生徒の自立を支える支援について主体的に研修・交流会等を図ってきた。
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、3密を回避する観点から、推進委員会、道立・市立を越えた各校コーディネーターの交流会等を回避する判断に至った。
そのような中、アンケートによる各校の状況交流と、スキルアップ研修については実施形態を変更した。
今後も本推進委員会のよさである実践的な交流や、講師を招いてのケースミーティングを取り入れたワーキング研修は、感染状況を踏まえつつ継続していくことが大切である。
◆活動報告1 市立高校・特別支援学校の状況交流アンケート(9月15日時点)
感染症に伴う生活様式の変化は、教職員や生徒、その保護者にどのような影響を与えたのだろうか。
各校の回答はつぎのとおり。
▼新型コロナウイルス感染症にかかる生徒や保護者の不安と、その不安を和らげるために講じた各校の対応や効果について
▽感染症対策や消毒について、教員全員で共通理解を図ったり、保健だよりを発行したりするなどした。消毒や学校での対応に関して、保健室へ家庭からの問い合わせはなかった(札幌豊明高等支援学校)
▽学校再開時は、生徒の精神的不安定さ(イライラ、うつ等の症状)、希死念慮の事例がいくつかあった。教員が傾聴することと医療との連携による対応を行った。8月ころから徐々に学校生活に慣れ、相談件数も減少してきた(札幌みなみの杜高等支援学校)
▽スクールカウンセラー(SC)による教職員への研修、SCによる生徒へ放送での授業、生徒全員に対して「心とからだのアンケート」を実施。点数の高い生徒をピックアップしてSC面談につなげたり、担任・養護教諭からの声かけを行ったりした。それも関係してか不安による不適応者は出なかった。保健だよりで数回に分けコロナについて取り上げ不安の解消に努めた。休校中は1週間2~3回電話をかけ保護者・生徒の話を聴くことに努めた。休校明けの健康観察でもコロナ禍での生徒の見とりのポイントを挙げ、教職員の実践につながるよう取り組んだ(札幌みなみの杜高等支援)
▽6月の学校再開後は地下鉄等での感染の不安から学校を休ませる家庭が一定数あり、担任・管理職が対応に追われた。ある程度休んだあと登校したケースもあったが、そのまま休みが続くケースもあった。カウンセリングを増やし、休校中や登校できない生徒には電話でのカウンセリングを実施した。また、Youth+の協力によって、心配な生徒への連絡、情報共有等をしてもらった(市立札幌大通高校)
▽校内における感染症対策、保健だより、学年通信、学校通信、PCキーボード、ヘッドセットなど、校内の日々の消毒で安心して学習できるようになっているのではないだろうか(市立札幌啓北商業高校)
▽教職員・付添保護者の常時マスクの着用、給食時間の指導におけるフェイスシールドと防護服等の着用、手洗い・消毒の実施、ドアノブ・電話等の消毒、担当教職員のパターン化、校内放送を活用した集会等の実施、教室の分散、外部関係者の出入り制限。基礎疾患のある児童生徒が通学する特別支援学校で、全介助を必要とする子どもたちとは、濃厚接触が避けられない。教職員にも慎重な行動が求められ、また感染症対策の意識も高い。対策を徹底しているからか、今のところコロナへの不安で登校できない児童生徒はあまりいない(豊成養護学校)
▽臨時休校に入った3月から、ウェブ会議システムZoomによるホームルームや授業等を教科科目のバランスを意識した上で実施。合わせて課題やZoomでの授業に使用するプリントを家庭訪問時に持参。その際、家での様子を本人や保護者に確認することができた。児童生徒や保護者からは生活習慣が維持できた、学習が保証されたなど、好評であった(札幌山の手支援学校)
▽家族に持病がある人がいるとき、不安で登校できない生徒がいる。校長判断で出席停止とし無理に登校を促さない、考査時のみ登校するが、今後も登校しない意向とのことで、効果は不明(市立札幌新川高校)
▽学習・休校後の人間関係への不安、感染することへの不安に対し、ホームページや保護者メールによる情報発信、ホームページやメールを利用して生徒から定期的近況報告受信、担任から生徒への定期的電話連絡(定期的)、スクールカウンセラー(SC)による電話相談で対応。担任・SCによる指導・相談につながった(市立札幌清田高校)
▽不安を抱える生徒は申し出るように呼びかけた。休みがちな生徒に関しては、担任と相談しながら必要に応じてスクールカウンセラーにつないだ(市立札幌旭丘高校)
▽休校期間中スクールカウンセラーが作成した『相談室だより』を学校からの郵送物に同封し、ホームページで配信するなどし、自宅学習期間中も生徒や保護者の不安の解消に努めた。学校と生徒・家庭のつながりは郵送物とホームページおよびメールの配信であったため、意識してホームページから生徒や保護者に目がとまるようにした。また、休校明けの学年集会で、養護教諭が新型コロナウイルス感染症の予防についてと心の健康について話をした。休校明けの『保健だより』は、ウィズコロナの新しい生活についてとメンタルヘルスについての話題とし、保健室前にも掲示した。休校期間中は学校の新しい情報を生徒・保護者は求めていると考え、ホームページで情報を読むことができるように意識したが、どのような効果があったかは調査などをしてないため不明だが一定の効果はあったと考える(市立札幌平岸高校)
▽本校においては、講じられる手立てについてはすべて行った。それでも不安に思うことは、保護者より個別に聞き取り、答えられる範囲で応えていくようにした。児童生徒たちは、障がいの関係でマスク着用が厳しいので、対応する教職員も細心の注意を払った。一番思ったことは、保護者がもし罹患したら、子どもの面倒をどうするのかが皆さん心配されていたと感じる(北翔養護学校)
(札幌市 2021-06-04付)
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