運動会生配信問題なし　楽曲使用の著作権問題で文科相　公開対象限定など周知へ

（国 2021-06-17付）

　萩生田光一文部科学大臣は１５日の記者会見で、運動会の様子を保護者にインターネットで配信する際に使用する楽曲の著作権の問題について「ライブ配信については問題ない」との見解を示した。一方、配信対象を必要な範囲に限定すること、録画配信としないことなどの留意も必要とし、今後、ホームページやSNSで周知していくとした。

　本年度から授業目的公衆送信補償金制度が本格運用となり、授業などで他人の著作物をインターネット配信する場合、学校設置者が指定管理団体に補償金を支払うことで、一定の条件のもと著作物を利用することが可能となった。

　新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、多くの学校が運動会で来場制限や時間短縮などの措置を講じている。このため一部の学校では、インターネットで運動会の様子を保護者に配信する際、楽曲の使用が著作権法に違反するのではとの懸念が生じている。

　萩生田大臣は、学校設置者等による指定管理団体への補償金は年度末までに支払えば支障はないとし、インターネットによるライブ配信について著作権上の問題は生じないとの見解を示した。

　一方で、配信対象を教員、児童生徒、保護者など必要な範囲に限定すること、録画ではなくリアルタイムのストリーミング配信とすることなどの留意点を示し、「著作権者の利益を不当に害することのないよう注意が必要」と指摘。今後、指定管理団体と連携し、ホームページやSNSで周知していくとした。

(国 2021-06-17付)