釧路市教委・釧路ＪＣがシンポジウム　ふるさとで働く意義は　岡部教育長　自立する力を

（市町村 2021-07-13付）

パネラーを務めた岡部教育長（右）と菅原理事長

　【釧路発】釧路市教委と釧路青年会議所（釧路ＪＣ）は６月下旬、市内１３校の中学１年生約１０００人を対象としたキャリアシンポジウム「ふるさと釧路で働くということ」をオンラインで初開催した。岡部義孝教育長と釧路JCの菅原宏理事長が講話を行ったほか、生徒の質問に回答。自分の夢をもつことの大切や、ふるさと釧路で働くことの意義などを直接語りかけた。

　市教委と釧路ＪＣが３年前に締結したキャリア教育の推進に関する連携協定の一環。前年度までは釧路ＪＣ会員が市内小・中学校で出前授業を行っていたが、本年度はより多くの生徒にキャリア教育を体験してもらおうと、ウェブ会議システムを使って配信する形で実施した。

　釧路教育研究センターから各校に映像を配信。コーディネーターは、市教委地域学校協働本部・統括的な地域学校協働活動推進委員の森敏隆氏が務めた。

　はじめに、岡部教育長と菅原理事長がパネラーとして「学ぶこと、働くこと、そして生きること」をテーマに講話。

　岡部教育長は、１０年後にはＡＩロボット中心の労働となり、現在の職業の６５％は存在しないとした学者の説を紹介し「だからこそ一人ひとりが判断する力、生きる力を身に付け、自立して歩いていける力が必要となってくる」と強調した。

　菅原理事長は、協調性とコミュニケーション能力の重要性にふれた上で「夢をもつことはいつの時代でも大切。その夢の手前の小さな目標を一つ一つクリアし、多くの達成感を体験するためにも、生きる力を身に付ける必要がある」と訴えた。

　働く意義について、菅原理事長は「どんな仕事でも、必ず誰かのためになっていることを覚えていてほしい」、岡部教育長は「働くということは、社会に対して自分の可能性をどう生かせるのかを探る作業なのかもしれない」と語り、働く意義について考えるヒントを示唆した。

　質疑応答では、生徒から釧路の魅力を尋ねる質問が挙がった。

　岡部教育長は「釧路には魅力がたくさんある。皆さんも友達同士で考え、日常会話の話題に挙げることで、自分だけの釧路の魅力に気付いてほしい」と呼びかけた。

　菅原理事長は「自然や食のほかにも魅力を探し、よさを共有する時間をつくることで、釧路の新しい魅力を皆さんから教えていただきたい」と述べ、釧路の将来を担う中学生へ期待を込めた。

　この日のシンポジウムの様子は、後日、映像を編集して動画共有サイトYouTubeで配信する予定。

(市町村 2021-07-13付)