鷹栖中で「ふるさと共育」スタート 3年間通じ体系的学習 鷹栖町教委 立ち上げの講話で町長エール
(市町村 2021-07-20付)

鷹栖町教委ふるさと共育町長講話
まちづくりへの思いなどを伝えた

 【網走発】常呂高校(濵田哲也校長)は、9・10日に行った学校祭でICTを積極的に活用した。新型コロナウイルス感染症で規模を縮小した開催でも楽しめる工夫を取り入れた。全校企画「校内かくれんぼ大会」では、校内各所にChromebookを設置し、生徒が隠れたり探したりする様子をモニターから観戦できるようにした。生徒は応援したり、つぎの作戦に役立てたりするなど、新しい“遊び”を大いに楽しんだ。

 学校祭は、新型コロナウイルス感染症の影響で前年度は中止となったが、本年度は規模を縮小するなど感染症対策を講じて開催。

 前年度にChromebook24台を導入し、授業など様々な場面で取り入れていることから、学校祭でも積極的に活用。準備期間中の生徒同士の打ち合わせをオンラインで行ったほか、当日もICTを活用した企画を盛り込んだ。

 全校企画の校内かくれんぼ大会では、14ヵ所にChromebookを設置し、生徒が隠れたり探したりする様子を体育館のモニターから観戦できるようにした。すでに見つかった生徒が残っている生徒を応援したり、つぎの作戦を立てるために役立てたりしていた。

 生徒の一人は「全体的な動きが見えるので、普通のかくれんぼが数段面白くなった。学校祭以外でも、いろいろなアイデアを出してChromebookの活用方法を広げていきたい」と話していた。

 【旭川発】鷹栖町教委が進める「ふるさと共育」の取組が、本年度から鷹栖中学校(大場八仁校長)で本格的にスタートした。総合的な学習の時間において、3年間を通じて体系的に町について学ぶプログラムを構築。立ち上げとして6月下旬に行われた講話では、谷寿男町長が町の歴史や特色、まちづくりへの思いなどを伝えるととともに、今後の地域を支える生徒たちにエールを送った。

 鷹栖町は、第8次総合振興計画の施策に「感性を育むふるさと共育」の推進を掲げている。ふるさと共育とは、地域資源を活用しながら、誰かに教わる教育ではなく、誰かと共に学び合い、関心を広げ、自ら探求する姿勢を育むもの。郷土愛の育成や自己肯定感の向上、時代の変化への対応力育成などを目指している。

 これまで町内各校では、社会科副読本を活用した授業の展開や、地域資源を生かした活動などに取り組んできた。

 本年度からは、新たに鷹栖中の総合的な学習の時間で3年間を通したプログラムを構築。全校テーマ「ふるさと鷹栖町に誇りをもち、心豊かでたくましい生徒の育成」のもと、学年別にテーマを定めて体系的に取り組んでいく。

 1年生は、「鷹栖町発見」をテーマに町長講話や町内視察、農業体験など展開。2年生は「ここがすごいぞ!鷹栖町」と題し、卒業生や町出身者からの講話や職業体験、紹介マップづくりなどを行う。3年生は「これからの鷹栖を考える」をテーマに、これまで学んできた魅力を探求・発信。学習を通して、自身の進路につなげていく。

 今後は9年間を通したふるさと共育の展開を見据え、次年度以降、小学校でも実施を検討していく。

 6月下旬にはスタートアップとして、町内で生まれ育った谷町長が講話。取組初年度となるため全学年を対象とし、学年に応じた内容で展開した。

 23日には、1年生60人を対象に実施。谷町長は、「鷹栖村開村からの歴史」から「農業のまち・鷹栖のいま」に至るまで、生徒にとって身近なエピソードを交えながら説明した。あらゆる世代・立場の住民が幸福を感じられるまちづくりへの思いを伝えるとともに、「周りの人々を大切にし、周りに支えられながら共に成長できる人になってほしい」などとエールを送った。

 生徒たちは、手を挙げたりうなずいたりして反応を返しながら、真剣に聞き入っていた。

 代表生徒によるあいさつでは「今、当たり前に生活していることが当たり前ではないと気付いた。町のよさに気付いてくれた過去の人々に感謝したい」「過去と現在を比較して、新しい町の一面を知ることができた。今後はもっと町に興味をもって積極的に取り組みたい」などと今後の学習へ意欲をみせていた。

(市町村 2021-07-20付)

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