札幌市緑丘小　教育実践研究会Ⅰ期　対話通し誠実さ考える　３年道徳　過ち認める授業

（札幌市 2021-07-28付）

よごれた絵を題材に誠実さについて考えた

　札幌市立緑丘小学校（末原恵蔵校長）は１６日、第２２回教育実践研究会第Ⅰ期を開いた。市内の教職員など約４０人が参加。研究主題「学びに自分の意志をもつ子」のもと、図工、体育、道徳で計７授業を公開。うち、坂口明加理教諭による３年１組道徳では、過ちを素直に反省することの大切さにき付かせ、正直に伝えようとする意識を高める授業を展開した。

　研究主題は、「学びに自分の意志をもつ子」。本年度は２ヵ年研究の最終年度に当たる。これまでの研究成果や現在の教育内容をふまえ、物事を実行しようとする前向きな気持ちや考えを「意志」としてとらえ、獲得した知識を働かせ、つぎの行動に自ら結び付けていく子どもの育成を目指している。

　研究の重点に「自己内対話が深まる学び～他者との対話を通して」を設定。①個が思いをもつための見取りと手立て②個の思いが志に高まるための見取りと手立て―の２つを視点に、児童の内情や表現についての指導方法の研究に取り組んでいる。

　本年度の研究会は、新型コロナウイルス感染防止対策として、３期に分割して開催。１６日の第Ⅰ期を皮切りに、９月３日の第Ⅱ期、１２月３日の第Ⅲ期、合わせて２９授業の公開を予定している。

　第Ⅰ期では、図工、体育、道徳で計７授業を実施。うち、坂口教諭による３年１組道徳（児童数３７人）では、単元「よごれた絵」の授業を公開した。

　本時は２時間扱いの２時間目。前時の学習では、自分が正しいと思ったことを行動に表すことで、自身や周りが気持ちよく過ごせるようになることを学んできた。

　はじめに、坂口教諭は自身の経験談も交えながら、「自分がした悪いことを告白し、謝ることができなかったことはないか」と問いかけ、正直に謝ることの難しさを考えさせた。

　「よごれた絵」を範読したあと、絵がよごれてしまった原因を全体で整理。坂口教諭は「主人公がすぐに謝らなかったのはなぜか」と投げかけた。児童からは「ばれたら怒られるから」という意見が多く挙がった。

　坂口教諭は、主人公が絵を汚したことを謝ろうとした際に、声がなかなか出てこなかった理由についても意見を求めた。児童は「友達ではなくなってしまうのが怖かった」「相手にすごく怒られると思ったから」などと考えを述べた。

　その上で、坂口教諭は「主人公が正直に謝れた理由」「自分が主人公の立場だったらどうするか」を考えるよう促した。全体発表で児童から「自分が怒られるかもしれないが、汚された人も、すごく嫌な気持ちだと思う」などの意見が挙がった。

　坂口教諭はまとめで、「わざとではなくても、悪いことをしてしまったときは正直に謝ることが大事」と強調。「正直に謝ることで、自分と相手の嫌な気持ちを解消にすることができるかもしれない」とし、誠実な気持ちをもって生活するよう呼びかけた。

(札幌市 2021-07-28付)