札幌市教委　第１１回教育委員会会議　４年度高校等教科書審議　８月１７日会合で採択決定へ

（札幌市 2021-07-29付）

使用する教科書について審議した

　札幌市教委は、令和４年度から使用する教科用図書の選定を開始した。今回は、毎年度更新している高校および中等教育学校後期課程の教科用図書、特別支援教育用の一般図書のほか、中学校社会科の教科用図書を採択する。２７日の教育委員会会議では、市教科用図書選定審議会の調査研究報告書答申の概要説明などをもとに審議した。

　市は、小・中学校用の教科書について、原則４年ごとに採択替え（使用する教科書の変更）を行っている。

　中学校社会科の教科用図書については、２年度に採択替えを行ったが、社会の歴史的分野において、元年度の教科書検定で不合格となった教科書の再申請が２年度に行われ、合格となった。

このため、１社から新たに教科書が発行されたことから、社会の歴史的分野の教科書のみで調査研究を行い、採択替えを行うこととした。

　高校・中等教育学校後期課程の教科用図書は、学校の実態、学科や課程の特色、生徒の特性などを十分に考慮し、全日制・定時制の課程・学科・コースごとに採択。各校で校長を委員長とする教科書選定委員会を設置し、使用希望教科用図書を選定している。

　また、市立札幌山の手支援学校高等部については、高校に準じた教育課程を編成していることから、高校と同様の扱いとしている。

　特別支援教育用教科用図書においては、主たる教材として、道教委の採択参考資料の対象となっている一般図書、教科用図書選定審議会委員が推薦した教育目標を達成するために適切と認められる一般図書を調査研究の対象としている。

　２７日に、札幌市民ホールで行われた第１１回教育委員会会議では、審議会中学校部会社会小委員会の大浦司委員長、高校部会・中等教育学校部会の黒宮裕久部長が調査研究報告書答申を説明した。

　中学校の社会科においては、「未来の札幌を考える環境の取扱い」「課題探究的な学習の取扱い」「アイヌ民族の歴史や文化の取扱い」など９つの具体項目の学びを深める教科用図書を選定。教員委員による協議を通して、候補となる１社を決定した。

　高校・中等教育学校後期課程の教科用図書に関する説明では、市立札幌新川高校が４年度からの個人端末持ち込みによる１人１台端末での授業が可能となるため、家庭科・情報でＱＲコードから動画等のコンテンツを用い視覚的にも学べるようにしていくことを示した。

　また、市立札幌大通高校では、海外から帰国した生徒向けに実施している日本語教育で使用している教科用図書を２冊から３冊に増やし、話す・書くの応用力を高めていく。

　このほか、特別支援教育用教科図書については、３９５冊を候補としたことを報告した。

今後は、８月１７日に予定している教育委員会会議で、来年度の教科用図書の採択に関する議案を審議する。

(札幌市 2021-07-29付)