札幌市立小アイヌ文化体験プログラム　２年度　１１１校で開催　実施率　南区８０％　豊平区６８％など

（札幌市 2021-08-16付）

令和２年度体験プログラム・出前体験プログラム実施校数（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市市民文化局は、令和２年度アイヌ施策年次報告書をまとめた。アイヌ文化などの理解促進に向けた体験プログラムと出前体験プログラムの市内小学校における実施校数は、２０３校中１１１校で、実施割合は５５％。区別でみると、南区が最も多く、２０校中１６校で８０％。次いで豊平区が２２校中１５校で６８％となった。

　市は、アイヌ施策の基本的な考え方や具体的な取組の内容などを整理し、総合的かつ計画的にアイヌ施策を推進していくため、平成２２年９月にアイヌ施策推進計画を策定。理念に定める「アイヌ民族の誇りが尊重されるまちの実現」に向けて、様々な事業に取り組んできた。

　本年度から第２次アイヌ施策推進計画を開始。施策目標の一つ「アイヌ民族に関する理解の促進」における「アイヌ民族の歴史の尊重と教育施策の充実」に向けて、伝統楽器の演奏やアイヌ文化を体験できる小中高生団体体験プログラムの提供、民族共生象徴空間と連携した学習を盛り込んでいる。

　報告書は、前計画で示していた①市民理解の促進②伝統文化の保存・継承・振興③生活関連施策の推進―の施策目標達成に向けた取組などをまとめたもの。

　教育関係では、児童生徒がアイヌ文化交流センターを訪問し、アイヌ文化を体験する体験プログラムや、交流センターから職員等を派遣して、各校でアイヌ文化を体験する出前体験プログラムの参加校数などを集計した。

　前年度の小学校における体験プログラムと出前体験プログラムの合計参加校は１１１校で、実施割合は５５％だった。プログラムごとの参加校数は、体験プログラム５３校、出前体験プログラム５８校となった。

　各区別の実施校数をみると、南区が２０校中１６校で実施割合は８０％。豊平区が２２校中１５校で６８％。清田区が１５校中１０校で６７％だった。

　市職員・教職員への研修の実施状況では、アイヌ民族について学ぶ新任教職員対象の研修や小学校２校でアイヌ文化に関する実践研究が行われた。

　一方で、新任課長職を対象にしたアイヌ民族についての研修や学校における、アイヌについての指導事例の交流を目的とした研修は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった。

　このほか、アイヌ教育相談員の相談件数や、夏季・冬季休業に行われた児童生徒への学習支援の実施状況を示している。

(札幌市 2021-08-16付)