札幌市教委 全国学力調査報告書 中学国・数で平均以上 計画立て勉強 大幅に増加(札幌市 2021-09-15付)
札幌市教委は、令和3年度全国学力・学習状況調査の実施報告書を公表した。各教科領域別平均正答率について、小学校は国語・算数ともに全国平均をやや下回り、中学校は国語、数学ともにやや上回った。児童生徒質問紙調査では「自分で計画を立てて勉強している」と答えた子どもの割合が小学校で77・0%、中学校62・2%と前回調査と比べ大きく増加した一方で、「難しいことでも失敗を恐れないで挑戦している」との回答の割合が小・中ともに大きく減少した。市教委は今後の取組として、小・中学校の教職員が協働しながら、課題探究的な学習を一層進めていくことなどを挙げている。
市教委は、公表にかかる数値の取扱いに関して、市全体の平均正答率を整数値のみで示すことが保護者や市民にとって結果をあいまいにしている印象や誤解を招く恐れがあることから、市の平均正答率について、国から提供された整数値とともに、独自で計算した小数点第1位までの数値を併記した。
2年ぶりとなる本年度の調査では、教科に関する調査(国語、算数・数学)と、生活習慣や学習環境に関する質問紙調査を実施。
調査実施校および児童生徒数は、市内小学校199校の6年生1万4869人(実施率93・6%)、中学校100校の3年生1万4306人(同83・9%)。
教科に関する調査の各教科領域別平均正答率をみると、小学校は国語64・2%、算数69・0%。中学校が国語66・0%、数学58・1%。
全国平均と比較すると、小学校では、国語が0・5ポイント、算数が1・2ポイント下回った。中学校は、国語が1・4ポイント、数学が0・9ポイント上回った。
中学校数学の図形領域では、全国の平均正答率を3・1ポイント上回った一方、それ以外の教科領域は、全国と比較してプラスマイナス3ポイントの範囲内でほぼ同程度となった。
市教委は国語において、小学校は目的に応じて文章と図表と結びつけて必要な情報をみつけること、中学校は文章に表されているものの見方や考え方をとらえ、自分の考えをもつこと、算数・数学では、判断の理由や解決方法を考察し、数学的に表現することなどに課題がみられると分析。「身に付けた知識・技能を活用することについては、小・中学校ともに課題がある」と考察した。
本年度の児童生徒質問紙調査では、新型コロナウイルス感染症の学習面への影響を把握・分析するため、休業中の児童生徒の学習状況、環境等について、調査項目を新たに設定。また、GIGAスクール構想の推進を踏まえ、ICTに関連した調査項目も盛り込んだ。
自分で計画を立てて勉強している子どもの割合は、小・中ともに前回調査と比べ大きく増加し、小学校で77・0%、中学校で62・2%と、これまでの調査で最も高い数値に。一方、難しいことでも失敗を恐れないで挑戦している子どもの割合は、これまで上昇傾向にあったが、本年度は、小・中ともに大きく減少した。
新型コロナウイルス感染症の影響による休校期間中に関する質問では、「計画的に学習を続けた」「規則正しい生活を送っていた」子どもの割合が小学校で6割程度、中学校で3~4割程度となり、小、中学校間で差が生じた。
市教委は、学校でのICT機器の活用について「5月の調査時期を考えると、比較的高い割合となった」とし、「中学校に比べ、小学校の方が高い状況にあり、小学校の導入の方がスムーズに進んだ」と分析。
今後の取組として、「これまで取り組んできた課題探究的な学習を小学校と中学校の教職員が協働しながらより一層進めていく」「さっぽろっ子“学ぶ力”育成プランに基づいて各学校が推進している〝学ぶ力〟育成プログラム、さっぽろっ子“学び”のススメなどを小・中学校が9年間の見通しをもって活用することで学ぶ力を一層育む」ことなどを挙げている。
報告書は今後、市ホームページに掲載予定。各学校に対しては、報告書を参考に自校の状況や課題を把握した上で改善策を年内に取りまとめ、公表するよう促すとしている。
(札幌市 2021-09-15付)
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