産婦人科医等派遣事業実施方法一部変更　中学等は年間５０校派遣　札幌市教委　隔年で全校実施

（札幌市 2021-09-22付）

講師派遣の見通し（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市教委は本年度、毎年度実施している産婦人科医および助産師による講師派遣事業において、派遣方法などの事業内容を一部変更して実施している。中学校、分校、中等教育学校前期課程において、第１、２学年を対象に隔年で５０校ずつ派遣。市内１０区を２地区に分け、隔年で助産師を派遣する見直しによって、すべての中学校等で事業を実施する体制を整えた。本年度の助産師派遣期間は、６月２１日から来年３月１１日まで。産婦人科医師の派遣は、８月３０日から来年３月１１日までの期間に実施する。

　事業は、産婦人科医・助産師を学校に派遣して講演を行うことで、生命を尊重する心、自他の心と体を大切にする態度、性に関する正しい知識をもって適切に行動する力を育むなど、性に関する指導の充実を図るもの。昭和６２年度から継続している。

　前年度は、札幌産婦人科医会・道助産師会の協力のもと、新型コロナウイルス感染症対策を講じて実施。産婦人科医師を市内の中・高校３校、助産師を小・中・高校６６校に派遣した。

　これまでは、各校種で申し込みのあった学校において実施していたが、すべての希望校に対応しきれないことや実施校の固定化などに課題があることから本年度から事業内容を再整理。すべての市立学校で性に関する指導の充実を一層向上させることを重要視した。

　小学校では、希望する学校に派遣。パートナー校の中学校における講演の内容を踏まえ、小学生の発達の段階に応じた性に関する指導を自校で行う。派遣可能校数は年間２６校を設定している。

　中学校、分校、中等教育学校前期課程は、北区、東区、豊平区、南区をＡ地区、中央区、白石区、厚別区、清田区、西区、手稲区をＢ地区に分類。２ヵ年で５０校ずつ派遣する。第１、２学年を対象に隔年で助産師を派遣する仕組みを構築することで、すべての中学校等で事業を実施する体制を整える。

　高校、中等教育学校後期課程では、第１学年段階を対象に全校に毎年度派遣。派遣する講師は、産婦人科医師５校、助産師３校を基本とする。

　なお、本年度は移行期であることから、中学校・高校等において、実施を希望しないことも可能とした。

　本年度の助産師派遣は、６月２１日から来年３月１１日までの期間に実施。産婦人科医師の派遣は、８月３０日から来年３月１１日までの期間とした。

　講演では、人間尊重の意識を育む教育の一環で講師の専門性を生かしたものとする。学習指導要領の内容に基づき、市教委の『性に関する指導の手引』を活用しながら児童生徒の発達の段階を踏まえるとともに、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮して実施する。

(札幌市 2021-09-22付)