札幌市教委３年度全国学力・学習状況調査実施報告書　第４回　新型コロナウイルスの影響

（札幌市 2021-09-22付）

◆家庭での学習

▼調査結果

▽自分で計画を立てて勉強している子どもの割合は、小学校、中学校ともにこれまでの調査と比較して最も高い状況である

▽学校の授業時間以外（月曜日から金曜日）、１日当たりどれくらいの時間、勉強しているかについて、中学校では、前回調査（令和元年度）より１３・２ポイント上昇し４６・７％に。

▽新型コロナウイルスの感染拡大で多くの学校が休校していた期間中、学校からの課題で分からないことがあったとき、小学校では、約７割の児童が「自分で調べた」、８割の児童が「家族に聞いた」と回答している。中学校では、約６割の生徒が「自分で調べた」、分からないことをそのままにした子どもの割合は、全国と比較して小学校、中学校ともに低い状況であった

▽休校期間中に、学習に対して約６割の児童生徒が学習について不安を感じながらも、分からない課題をそのままにせず、学習を進めていた子どもの姿が考えられる。「自分で調べた」「家族に聞いた」などの回答割合が高いことから、家庭においても「さっぽろっ子“学び”のススメ」で推進している「子どもと一緒に方法を考える」「分からないことやできないことに挑戦できるよう励ます」などの支えや励ましがあったのではないかと考えられる

▽休校期間がありながらも「自分で計画を立てて勉強している」子どもの割合は、これまでの調査と比較して最も高い状況となっている。休校後も外出自粛期間等もあったことから、これまでより家庭で過ごす時間が多くなった中で、「さっぽろっ子“学び”のススメ」で推進している「改善に向けて生活を一緒に振り返る」かかわり等を通して「生活を自らコントロールする」子どもの意欲が上昇しているのではないかと考えられる

◆学校での学習

▼調査結果

▽前学年までに受けた授業の中で、課題の解決に向けて自分で考え、自分から取り組んでいる割合は、元年度と比較して、小学校では、３・２ポイント上昇し７７・１％、中学校では８・１ポイント上昇し７６・１％となっている

▽学級の友だちとの間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりすることができている子どもの割合は、元年度と比較して、小学校では、６・８ポイント上昇し７６・４％、中学校では、５・７ポイント上昇し、７３・５％に

▽総合的な学習の時間では、自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいる子どもの割合は、元年度と比較して、小学校では１１ポイント上昇し７０・９％、中学校では１５ポイント上昇し７１・４％に

▽授業におけるＩＣＴの活用の頻度について、元年度の調査よりも小学校で１５・８ポイント上昇し４７・９％、中学校で１１・１ポイント上昇し３７・５％に。小学校、中学校ともに９割以上の子どもが学習の中で〓ＣＴ機器を使うことは勉強に役に立つと考えている。

▼考察

▽課題の解決に向けて自分で考え、自分から取り組むことや、話し合い活動を通して自分の考えを深めたり、広げたりすること、総合的な学習の時間で自分で課題を立てて情報を集め整理し、発表する学習活動について、肯定的に回答している子どもの割合が上昇していることから、コロナ禍であっても、市が推進している子どもが自ら疑問や課題をもち、主体的に解決する「課題探究的な学習」を取り入れた授業の工夫が進められていると考える

▽１人１台端末の導入によって、授業でのＩＣＴの活用が進んでいる。小学校、中学校ともに学習の中でＩＣＴ機器を使うことは勉強に役に立つと考えている割合が非常に高く、子どもが活用について前向きにとらえていると考えられる

(札幌市 2021-09-22付)