札幌市議会公明党　４年度予算要望　個別最適化の学び提供　ＧＩＧＡスクール質向上

（札幌市 2021-12-13付）

　札幌市議会公明党議員会は９日、札幌市に対して令和４年度の予算編成に対する要望書を提出した。新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の両立施策の推進を含め重点要望項目および要望項目を６つの指標に分け、１６２項目に整理。うち、教育関係では、ＧＩＧＡスクール構想の質の向上を図り、個別最適化された学びの提供に努めることなどを要望した。

　教育関係の要望事項はつぎのとおり。

【新型コロナウイルス感染症対策と社会・経済活動の両立をめざして～ウィズ・アフターコロナを見据えた対策推進を】

▽教育現場における感染拡大やクラスターの発生が起きないよう感染予防対策の徹底を図ること。また、学びの機会確保として、ＩＣＴ機器を活用した教育の充実を図るとともに、人的支援等の環境整備を行うこと

▽長引くコロナ禍で、一層、子どもの見守りが課題となっていることを踏まえ、要保護児童対策地域協議会の支援水準の向上に努めること。また、本年度、創設された子どもの見守り強化事業補助金は多くの民間団体に活用されるように丁寧に周知し、地域や関係団体とともに子どもを見守る体制を強化すること

【誰もが良好な環境のもと、心安らかに健康的に暮らすために～保健・医療・福祉施策の充実強化と自然・生活環境の向上を】

▽児童虐待防止対策強化等のため、児童福祉士の増員や専任医師の配置などの体制強化に取り組むとともに第二児童相談所を早期に設置すること。市他部局、警察や他の児童相談所と連携強化を一層図るとともに子育てデータ管理プラットフォームを効果的に活用し、関係者間の情報共有の円滑化・迅速化に努めること。要保護児童対策地域協議会の共助の視点の趣旨を踏まえ、地域の子どもを見守る地域コミュニティを一層充実させること―重点

▽子どもの医療費助成については、子育て支援対策として高校生まで拡充し、全国市町村の統一に努めること。まずは、通院費助成の中学生までの拡充を早急に実現すること―重点

▽学校や地域における薬物乱用防止対策を進めること。依存に苦しむ本人や家族への支援体制の強化を図ること

▽幼児・小学生が幼稚園・学校において集団でのフッ化物洗口を適切に実施すること

▽市立幼稚園・学校における子どもたちの食物アレルギーやアナフィラキシーに対応するため、教育現場と保健所・消防局等関係者との連携を強化すること。また、教職員に対してアナフィラキシーの際に使用するエピペンの使用方法など、アレルギーに関する研修をオンラインも含め実施すること

▽子どもの安全、保護者の安心、働く親の支援という観点から放課後児童育成事業について民間学童保育事業の果たす役割を一層評価し、さらなる支援の拡充と利用者の声をよく聞くこと

▽ひとり親家庭等の生活実態に十分に考慮し、就労支援や生活支援の充実、子どもの学習支援と各相談事業などの整備・充実を進め、総合的な支援策を進めること

▽保育園等の補助金については、保育士処遇改善や待機児童解消に資する内容への改善を進め、さらなる拡充を図るとともに、事務処理負担の軽減に資する取組を行うこと。喫緊の課題である保育士確保と定着への支援策を強化に進めること

▽１０区最後の整備となる中央区保育・子育て支援センターちあふるについては、これまで整備してきた施設の課題や市民の声などを反映させるとともに、利用者の利便性にかなった施設整備を進めること。現保育所跡地についても効果的な利活用を行うこと

【誰もが地域を誇り、人間らしく心豊かに暮らすために～地域および一人ひとりの未来を輝かせる施策の充実とそれを支える環境の整備を】

▽全国初の単独校としての公立夜間中学「星友館中学校」の開校に当たり、単独校としての強みを生かした、市の活力を生み出す札幌らしい思い切った教育施策の推進に努めること。大通高校や他都市の夜間中学との連携等、様々な教育機関や民間企業などとの連携を深め、学生の可能性を最大限に開く教育の在り方を検討すること、夜間中学で得た知見・経験を市の教育全体に生かす取組を行うこと―重点

▽ＧＩＧＡスクール構想の質の向上を図り、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、個別最適化された学びの提供に努めること。教師と生徒の力を最大限に引き出すため、刻一刻と進歩する学習ツールに対応できるよう、教師への研修やソフトウェアのい充実を図ること

▽不登校対策としてフリースクールへの支援を継続するとともに、相談指導教室や相談支援センターについても子どもたちが通いやすいよう少なくとも全区への設置を進めること

▽子どもたちが季節や天候に左右されず思う存分に遊ぶことのできる屋内子ども遊び場は集客力があり、孤立しがちな家庭への支援など様々な効果があるので官民連携による開設を検討すること

▽いじめ防止のため、教職員が率先して意識醸成に努め状況の把握から解消まで粘り強くチームによる指導体制の構築と充実を図ること。ネットトラブルについてはＳＮＳによるいじめの実態調査と情報モラル教育の推進を図ること。前年度から通年化されたＳＮＳによる相談体制の一層の充実・強化を図ること

▽児童生徒がインターネットを適切に活用できるように安全なインターネット利用にかかる指導を専門化の意見も取り入れ強化すること。指導内容は保護者と共有すること

▽障がいのある児童生徒の教育を充実させるために、特別支援学級のさらなる整備拡充や学びのサポーター活用事業の拡大・充実を図ること

▽豊明、みなみの杜両高等支援学校における教育について、相互に連携をしながら特色ある教育を推進するとともに就労支援体制の充実を図ること。特別支援教育のセンター校として、小・中学校への支援機能を充実させること

▽学校図書館地域開放事業については、開放校の増加に見合った予算の確保、ボランティア研修の充実など活動支援の一層の拡充を図ること

▽特別支援教育相談室は、相談内容の多様化や相談件数に増加に対応するための組織強化を進めること。また、特別な支援が必要な子どもの教育推進に向け、これまでの研究や課題を共有する取組を行うなど、職員の資質向上への取組を強化すること

▽市奨学金の継続と拡充、コロナ禍において困窮する家庭が増加していることにも配慮し、必要とする家庭に支援が行き届くよう細やかな支援策を講じること

▽地球温暖化の進行やコロナ対策のためのマスク着用から、夏の暑さによる教室内の学習環境の改善が必要であり、普通教室へのエアコン設置の普及を具体的に検討すること。他の暑さ対策で模範の取組も、学校間で情報共有できるようにすること

(札幌市 2021-12-13付)