札幌みなみの杜高支の山本さん　障害者競技大会で金賞　ビル清掃　全国の切符得る

（札幌市 2021-12-14付）

　市立札幌みなみの杜高等支援学校（田中進一校長）２年生の山本尚輝さんが、令和３年度アビリンピック北海道大会（道障害者技能競技大会）のビルクリーニング競技で金賞（北海道知事賞）を受賞した。この活躍で、来年の全国大会への出場が決定。山本さんは「涙が出るほどうれしかった。先輩方が銅賞、銀賞を取っていたので、金を目指していた。実現できてよかった」と話している。

　大会は、日ごろ培った技能を互いに競い合うことによって、職業能力の向上を図るとともに、企業や社会の人々が障がい者雇用に対する理解と認識を深め、雇用の促進を図ることが目的。

　山本さんが出場したビルクリーニングは、模擬オフィスにてビルクリーニングの基本動作（ごみ処理、床面掃き・拭き作業、机拭き）等の作業を弾性床清掃および机上清掃の一つの課題で競うもの。

　同校は日常の授業のほか、市内の事業所などから講師を招き専門的な指導につなげている。

　山本さんは「職業基礎の授業で“夢を語ったら実現する”という言葉を聞いて、自分が１年生のときにアビリンピックで１位を取りたいと語っていたことを思い出した。これからも夢を語り、実現できるようまい進していきたい」と入賞を喜んだ。

　講師として指導した㈱ベルックス札幌事業部第二課の梅崎大輔さんは、「山本君を含め、３年間携わっている。生徒・先生の一生懸命な姿にこんなに素晴らしい学校があるのかと感銘を受けている。山本君の将来につながっているのであればうれしい」と話している。

　２年生クリーンアップコースの指導を担当する北口忍教諭は「緊急事態宣言下の限られた時間で、１分１秒を無駄にせず、集中して練習に励んでいた。努力が実を結び、金賞という結果を得られたことは、今後の山本君の人生において糧になると思う」とさらなる活躍に期待を寄せた。

　全国大会は、来年１１月に開催される予定。

(札幌市 2021-12-14付)