道社連・市社連　社会科教育　研究大会札幌大会　公開授業③　澄川西小　冬の安全な生活守るには　４年　中学生除雪ボランティア課題に

（札幌市 2021-12-21付）

第４学年部会　札幌市立澄川西小学校４年２組（小箱駿太教諭）

大雪からくらしを守る～持続可能な冬のまちづくり

【単元で目指す子どもの姿】

　冬の安全な生活は札幌市の除排雪システムや地域の人々によって守られている。わたしたちは冬の生活を守る地域の担い手として期待され、実際に若い人たち（先輩）が地域のために活躍している。自分たちも冬の安全な生活を守るために活躍していきたい。

【単元の目標】

▽過去に発生した地域の雪害、関係機関の協力などに着目して、聞き取り調査をしたり、地図や年表などの資料で調べたりしてまとめ、雪害から人々を守る活動をとらえ、その働きを考え、表現することを通して、地域の関係機関や人々は、雪害に対し、様々な協力をして対処してきたことや、今後想定される雪害に対し、様々な対策や活動をしていることを理解できるようにする

▽雪害から人々を守る活動について、主体的に学習問題を追究・解決し、社会の一員として、これからの冬のまちづくりについて考えようとする態度を養う

【本時のねらい】

　石川会長が中学生に雪かきボランティアを呼びかけ続ける理由を、市の除排雪システムが抱える問題や地域の少子高齢化の実態などと関連づけて考えることを通して、雪害から人々の安全な生活を守る持続可能な地域づくりの必要性に気づき、適切に表現している。

【本時の展開】

〈問いを生む場〉

▽雪かきボランティアの年齢＝中学生の参加５％

▽中学生で参加している人は少ないのに…↓石川会長「２１年間ずっと呼びかけ続けています」

▼課題「石川会長は、どうして中学生に“雪かきボランティア”を呼びかけ続けているのだろう？」

〈考えをつなぐ場〉

▽地域の力に

・中学生は力がある

・お年寄りでは雪かきは大変

・これからお年寄りが増えていく

・市ではできない

・朝、学校に行くときにできる

▽地域をつなぐ

・人の役に立つ経験をしてほしい

・これから地域の中心になる

・大人になっても続けて行ってほしい

・地域の安全づくりになる

▽「中学生が参加することで今よりももっと冬でも安心して暮らせるようになるんだね。そして、中学生が地域の人とつながっていくことで、地域のつながりがずっと続いていくんだね」

〈吟味・検証・再考する場〉

▽令和２年度の参加＝６４人↓全校生徒４７２人

▽「えっ！少ないとてもいい取組なのに」

・勉強もたくさんあって大変なでは？

・部活動が忙しいのでは？

・人の役に立ちたいと強く思っているんだね

・やっぱり、６４人も参加しているなんてすごい

・わたしたちもやらなきゃ

・参加している人たち、なんだかかっこいい

▼まとめ「雪害から冬の生活を守るためにはわたしたちがもっと地域の力になることが必要なんだね」

【教師の具体的な手立て】

▽雪かきボランティアの参加人数を増やすためにどんな人たちに呼びかける方が効果的か考えることで、少ない割合にもかかわらず、石川会長が中学生に「雪かきボランティア」を呼びかけ続ける理由について子どもが問題意識をもてるようにする

▽「地域の年代別人口の変化」を根拠にしたり、中学生が雪かきをすることの意味を時間の経過に着目して考えたりしている意見を取り上げ、冬の地域の安全における持続可能性について対話できるようにする

▽雪かきボランティアの価値を再考することができるよう、ボランティアに参加する生徒数やボランティアに参加した中学生の「振り返り作文（資料）」を提示する

▼評価

　子どもに「雪害から地域の冬の安心を守るために大切なことは何か」を問い、社会にみられる課題へのかかわり方についてノートに記述させる

(札幌市 2021-12-21付)