道社連・市社連 社会科教育研究大会札幌大会公開授業② 緑丘小 伝統野菜をつくる理由考察 3年 札幌市内農家を題材に(札幌市 2021-12-20付)
第3学年部会 札幌市立緑丘小学校3年3組(柿﨑健吾教諭)
農家の仕事~「札幌黄」の生産に携わる札幌の農家
【単元で目指す子どもの姿】
札幌の伝統野菜の質へのこだわりと継承に価値を見いだす札幌の農家の取組に関心をもち、札幌の農家について考えながら、自分の地域に対する誇りや愛着をもつ。
【単元の目標】
▽玉ねぎ生産の仕事は地域の人々の消費活動と密接なかかわりをもって行われることを理解することができるようにするとともに、見学・調査したり、地図などの資料で調べたりして、ノートなどにまとめることができるようにする
▽仕事の種類や玉ねぎ畑の分布、仕事の工程、消費者の願い販売の仕方、他地域とのかかわりなどの関連やそれらの仕事にみられる工夫を考え、表現することができるようにする
▽札幌の農家の一人、澤田喜幸さんの営みを知り、地域の農家の在り方について見つめ直し、自分の消費行動や地域のよさについて考えようとする態度を養う
【本時のねらい】
病気が多く育てる手間もかかり、収量もばらつきのある「札幌黄」をこれからもつくり続ける澤田さんの意図について、「消費者」と「生産者」の立場で考えることを通して、札幌の伝統野菜を守り続けることの意味について考え、適切に表現している。
【本時の展開】
〈問いを生む場〉
▽澤田さんの玉ねぎ畑の作付割合の変化を提示し、札幌黄の割合が減っている中でこれからの澤田さんの玉ねぎ畑について予想する
▽澤田さん「これからも10%はつくり続ける」
▼課題「澤田さんはどうして札幌黄をつくり続けるのかな」
〈考えをつなぐ場〉
▽澤田さん(生産者)、わたしたち(消費者)の2つの立場から理由を考える
▽澤田さん
・歴史があるから
・食べてくれる人がいるから
・この先も札幌黄を守っていくため
▽わたしたち
・おいしいから
・北海道外からも人気があるからだよ
・札幌黄を好きな人もいると思う
▼まとめ「澤田さんも昔からある札幌黄を食べたい人や守ってきた人のためにもつくり続けているんだね」
〈吟味・検証・再考する場〉
▽札幌黄をつくる現在の玉ねぎ農家の数を伝える
▽現在では…100件の農家の中、40件がつくっている
▼問い「この件は多い?少ない?」
▽多いと思う
・つくりにくいのに頑張っている
・札幌の玉ねぎ農家の半分もの人がつくっている
▽少ないと思う
・もっとたくさんつくって守ってほしい
・より多くの人に食べてほしい
▽札幌黄をつくり守ろうとする農家がいる
▼まとめ「澤田さんや札幌の玉ねぎ農家は、札幌黄を札幌を代表する野菜として残し続けようと少しずつ札幌黄をつくっているんだね」
【教師の具体的な手立て】
▽北もみじ(F1種)と札幌黄を比較することで、札幌黄をつくる難しさを共有する
▽F1種の導入によって減少した札幌黄を「これからも10%はつくり続ける」という事実を伝えることで問いを醸成する
▽生産者だけではなく、消費者がいるから玉ねぎがつくられていることに気づくように、消費者と生産者の二つの立場で板書する
▽「おいしい玉ねぎは北もみじも同じじゃないかな」と問いかけることで、札幌黄いの歴史的な背景や、札幌で玉ねぎづくりが始まったという誇りは今でも守っていきたいという澤田さんの思いを考えていく
▽札幌黄をつくる澤田さんや他の農家の思いに着目して振り返りを書かせることで、これからの農家の在り方を考えていく
▼評価
澤田さんが札幌黄をつくり続ける理由を「生産者」と「消費者」の視点から考えることができ、澤田さんの思いをノートに記述できる。
(札幌市 2021-12-20付)
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