札幌市山鼻小で町の歴史出前授業　屯田兵と地域の関係は　道文化財保護協会員が講師

（札幌市 2021-12-17付）

明治時代の山鼻地区について説明する田山副理事長

　札幌市立山鼻小学校（佐野浩志校長）で１５日、道文化財保護協会の田山修三副理事長による出前授業が行われた。山鼻地区を明治時代に開拓した屯田兵に関する説明や時代について学び、自分たちが住む町の歴史について理解を深めた。

　協会は平成２５年から、子どもの文化財愛護活動推進事業として道内各市町村の学校で出前授業を開始。生活文化や文化財を愛する心を育て、文化財の保存・保護の普及啓発の促進を目的としている。

　今回は、山鼻小の６年１組と２組の児童を対象に社会科の授業として実施。田山副理事長が講師を務め、明治時代に開拓のため来道した屯田兵と山鼻地区のかかわりなどについて解説した。

　１組の授業の冒頭、田山副理事長は山鼻の地名の由来を説明した上で、「山鼻は屯田兵によって開拓された場所。山鼻を開拓した山鼻屯田兵について考えてみよう」と発問した。

　つぎに、明治１４年に北海道行幸で山鼻屯田兵村を視察する明治天皇の姿を描いた、「北海道巡幸屯田兵御覧」のコピーを配布。田山副理事長が「屯田兵は兵隊なのに畑作業しているのはなぜか」「同じ服を着ている理由は」などと投げかけたあと、資料から読み取れる情報を児童が発表した。

　児童は、「つぎの戦争に向けて準備をしている」「天皇が来るのが分かっていて、同じ服に統一したのではないか」などの意見を発表した。

　また、資料に描かれている柏の木が同校の近くにある山鼻公園に生えていたことも説明。当時の木は枯れてしまったが、２代目、３代目と、山鼻の文化として残り続けていることを紹介した。

　授業を終えた児童は、「昔の山鼻のことについて知ることができたと思う」などと感想を話していた。

(札幌市 2021-12-17付)