道社連・市社連 社会科教育 研究大会札幌大会 公開授業① 伏見小 消費者・生産者目線を意識 3年 西山製麺の取組学習(札幌市 2021-12-17付)
第3学年部会 伏見小学校3年3組(黒崎奈美教諭)
はたらく人とわたしたちのくらし「ラーメンをつくる仕事」~消費者のニーズに応え、札幌の食文化を支える西山製麺
【単元で目指す子どもの姿】
「札幌ラーメン」という札幌を代表する食文化を支える西山製麺の取組を知り、地域に誇る食文化や地域を支える工場の仕事に誇りや愛着をもつ
【単元の目標】
▽ラーメン生産の仕事は、地域の人々の消費活動と密接なかかわりをもって行われていることを理解することができるようにするとともに、見学・調査したり、地図などの資料で調べたりして、ノートなどにまとめることができるようにする
▽ラーメンづくりの工程、工場内外で働く人の関係、技術の向上、生産者と消費者の立場等に着目して、ラーメン生産に携わっている人々の仕事の様子をとらえ、地域の人々の消費活動との関連やそれらの仕事にみられる工夫を考え、表現することができるようにする
▽札幌ラーメンについて、その背景にある西山製麺の営みを知り、地域の食文化について見つめ直し、自分の消費行動や地域のよさについて考えようとする態度を養う
【本時のねらい】
西山製麺が種類や値段の違う多様な麺づくりを行っている意味について、消費者と生産者の立場を考えることで様々なニーズに応えつつも札幌ラーメンのよさを大切に麺づくりを行う西山隆司社長の営みについて考え、適切に表現する
【本時の展開】
〈問いを生む場〉
太さの違う生ラーメン(細切麺、中太麺、太麺)3種類を提示し、ほかにもつくられている麺が多種多様であることを理解する
「太さが違うみたいだよ」「見た目は似ているね」
▼課題「どうして西山製麺はたくさんの種類の麺をつくっているのだろう」
〈考えをつなぐ場〉
▽「西山製麺」「お客さん」の2つの立場から理由を考える
▽西山製麺=おいしい麺を食べてもらいたい!
・どんな種類の料理にも合わせることができる
・売り上げをアップするため
・地域のお店を紹介するためだと思う
▽お客さん=おいしい麺を食べたい!
・食べたい料理に合わせてつくれるよ
・その日の気分で!
・地域の味が食べられるよ
〈吟味・検証・再考する場〉
▽「熟成ちぢれ細切麺」「熟成ちぢれ中太麺」「熟成ちぢれ太麺」を開封し、麺の違いを確認する
「違いが分かりづらい!」「本当に微妙な違いだ」
▽微妙に違う麺を1000件近くの店に出荷
▽たくさんの麺を出荷している意図について専務取締役の西山博さんの言葉をもとに考える
西山博さん「(麺の種類に)合わせて対応していかなければならないので非常に大変」
▽大変なのに麺の種類を増やすのはお客さんのため!お店のため!=西山製麺のこだわり
▼まとめ「西山製麺はたくさんの人の“おいしい”にこたえるために、たくさんの種類の麺をつくっているんだね」
【教師の具体的な手立て】
▽似たような麺でも違いがあることに目が向けられるように、パッケージを見て分かる情報を整理していく
▽消費者のニーズに合わせて麺づくりを行っているということに気づくことができるように、消費者と生産者という立場で板書する
▽消費者だけではなく西山製麺にもメリットがあることに気づけるように、消費活動と西山製麺の関係性を問う
▽生ラーメンの実物を提示し、開封することで、実際に麺の太さを比較し、微妙な違いに気づかせていく
▽西山博さんのコメントを取り上げることで、多種多様な麺づくりが大変であるということをとらえ、それでもつくり続ける意図を問う
▼評価
▽西山製麺が多様な商品を生み出している理由を、生産者と消費者の両方の立場から考え、その願いを感じ取り、説明することができる
道社会科教育連盟(=道社連、白崎正委員長)、札幌市社会科教育連盟(=市社連、同委員長)は、9月から約3ヵ月間にわたって、第76回道社会科教育研究大会札幌大会、第48回札幌地区社会科教育研究大会を開催した。研究主題「社会を知り、世界を切り拓く北国の子の育成~見方・考え方を鍛え、生きて働く資質・能力を確かに育む社会科の学び」のもと、ホームページやYouTubeなどを活用し、小学校8授業、中学校2授業を公開。別日には、分科会も実施し、社会科のよりよい授業づくりに向け意見を交わした。ここでは、公開した10授業を指導案に基づき連載で紹介する。
(札幌市 2021-12-17付)
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