札幌市教委　インクルーシブ教育　４年度から実践加配へ　小・中学校対象に申請受付

（札幌市 2021-12-17付）

　札幌市教委は令和４年度、市立小・中学校におけるインクルーシブ教育実践加配を開始する。特別支援学級や通常学級を対象に、校内におけるインクルーシブ教育の推進や通級指導の充実などを目指す学校に教員を加配するもの。現在、加配を希望する学校から申請を受け付けており、４年２月に文部科学省の内示を受けたあと、対象校を決定していく。

　本年度、市立小・中学校の約９割が特別支援学級を開設している。今後も特別な支援を必要とする児童生徒の増加が見込まれており、児童生徒の実態に応じた一人ひとりに寄り添う教育の実現が急務となっていた。

　市教委は、ことし６月に開かれた市特別支援教育振興審議会で、４年度における個々の教育的ニーズに応じた特別支援学級等の体制案を示した。

　体制案をみると、すでに決定している特別支援学級における少人数指導を目的とした教員加配のほか、インクルーシブ教育充実に向けた教員加配メニューの追加などを盛り込んでいる。

　１２月、特別支援学級と通常学級におけるインクルーシブ教育実践加配の基準などをまとめ、各校に通知した。

　インクルーシブ教育実践加配の対象は、①特別支援学級②通常学級―の２つ。

　特別支援学級では、障がいのある児童生徒と障がいのない児童生徒の交流および共同学習の充実や、通常学級と特別支援学級の教員の連携強化および児童生徒の相互理解に取り組む学校が対象。

　通常学級では、インクルーシブ教育の推進に取り組み、全市的に参考となる先進的な情報等を効果的に発信する学校を対象としている。

　教員の配当基準をみると、特別支援学級が「交流および共同学習」「校内におけるインクルーシブ教育の推進」「その他インクルーシブ教育実践にかかる活動」。通常学級は「インクルーシブ教育実践加配を活用し、通常学級に在籍する特別な教育支援を要する児童生徒への指導等での先進的な実践」「実践内容を市内における他校に効果的な方法での情報提供する」を満たすことが必要となっている。

　指導内容としては、チーム・ティーチングによる授業指導・支援などを計画している。

　加配人数は現段階で未定。４年２月中旬以降に対象校を決定していく予定。

(札幌市 2021-12-17付)