道社連・市社連 社会科教育研究大会札幌大会 公開授業④ 緑丘小 国内外の視点で共生社会学ぶ
(札幌市 2021-12-22付)

第4学年部会 札幌市立緑丘小学校 4年1組(土岐友哉教諭) 北海道の特色ある地域と人々のくらし~国際交流に取り組むまち・ニセコ町

【単元で目指す子どもの姿】

 ニセコ町の「国際交流を超えた多文化共生のまちづくり」という目的を共有した人々の、国籍に関係なく多様性を認め合う様々な営みを学び、それらの営みの価値を明らかにしていくことで、多様な価値観を受け入れ、共生社会への憧れを抱く子ども。

【単元の目標】

▽ニセコ町では、自然環境を生かし、国籍に関係なく日本人・外国人住民が協力して共生するためのまちづくりに努めていることを理解するとともに、地図帳や副読本などを活用して必要な情報を集め、調べたことを白地図などにまとめることができる

▽ニセコ町の自然環境、それを生かした農業や観光産業、共生するための人々の協力関係に着目して、ニセコ町の特色をとらえ、適切に表現する

▽自然環境を生かして、国際交流を超えて共生のまちづくりをしている地域が北海道にあるという、北海道への誇りと愛情をもち、共生社会への憧れを抱く

【本時のねらい】

 NAC(ニセコアドベンチャーセンター)代表のロス・フィンドレーさんがラフティングガイドに多くの外国人を雇っている意図を考えることを通して、交流するよさを日本人と外国人の双方の立場でとらえ、ロスさんの思いが共生へのまちづくりとつながったことに気づき、適切に表現することができる

【本時の展開】

▽前時までに、ロスさんのラフティング事業への取組によって夏の観光客も増え、1年を通して観光客を多く呼び込めるようになったことを学んでいる。「問いを生む場」では、ラフティング体験の取組が夏の観光客増加につながったことに目を向けてきた

〈問いを生む場〉

▽夏のニセコラフティング体験が人気に!―日本人の観光客が多いよ!初めて体験する人にも!

▽外国人ガイド=40人中28人

▼課題「ロス・フィンドレーさんは、なぜ多くの外国人をラフティングガイドとして働けるようにしているの?」

〈考えをつなぐ場〉

▽日本人

・外国人ガイドとコミュニケーションをとることができて楽しい

・お互いのことを知ることができるよ

・英語も学べるね

・簡単な日本語を教えることができる

▽外国人

・冬だけではなく、夏もニセコで働くことができるね

・1年中ニセコに住むことができるよ

・日本人と話すことで、日本語を学べるよ

・他の日本語をもっと覚えたいと思えるよ

▽ガイドと観光客、ガイド同士、ガイドと町などで交流が生まれる

▽外国人ガイドと日本人がラフティングを通して、国際交流が生まれるね。外国人移住者も1年中ニセコで働けるね

〈吟味・検証・再考する場〉

▽共生のまちづくりへ

・日本人と外国人が一緒に楽しく暮らせるまちにしたいんだ

・ニセコの未来を考えている

・日本語がとても上手だよ!

・積極的にコミュニケーション

・誰が日本語を教えているの?

▼まとめ「ロス・フィンドレーさんは日本人も外国人も関係なく、共に暮らせるまちづくりを考えているんだね」

▽ほかにも外国人と交流している場面ってあるのかな?

▽ロスさんのように、共生を願う人っているのかな?

【教師の具体的な手立て】

▽外国人のラフティングガイドと日本人ガイドの数を提示し、言葉の壁などがあるにもかかわらず、ロスさんが外国人を多く働けるようにしている理由について子どもが問題意識をもてるようにする

▽交流することで生まれるよさを「日本人」「外国人」それぞれの立場から具体的に考えることができるよう、子どもたちの実体験などを引き出すことができるようにかかわる

▽ロスさんの営みとニセコ町の外国人移住者の増加の関係に着目できるよう、外国人移住者のグラフを提示する。

 実際にラフティングの映像を提示することで、日本人と外国人との交流が生まれ共生するまちへとつなげていきたいというロスさんの思いに気づかせる。

▼評価

 日本人と外国人の交流の場が生まれたことをとらえ、ロスさんの共生への思いに気づくことができる

(札幌市 2021-12-22付)

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