道社連・市社連 社会科教育研究大会札幌大会公開授業⑤ 幌南小 スマート農業の将来考える 5年 北大・野口教授の取組から(札幌市 2021-12-23付)
第5学年部会 札幌市立幌南小学校 5年3組(内藤広大教諭) 米づくりのさかんな地域~スマート化による持続可能な食料生産
【単元で目指す子どもの姿】
北海道の稲作に携わる人々の工夫や努力へ思いをはせ、その優れた点や問題点、課題を解決するための取組を見つめることを通して、これからの食料生産の在り方について考える姿
【単元の目標】
▽米の生産量の変化、国内での自給率、農事暦にかかわる生産の工程と苦悩、農家と農協や農業試験場など人々の協力関係、機械化やスマート化など技術の向上、それに伴う価格や費用などに着目して、食料生産にかかわる人々の工夫や努力をとらえる。また、食料生産が国民生活に果たす役割を考え、表現することを通して、生産性や品質を高めるよう努力したり、輸送方法や販売方法を工夫したりして、良質な食料を消費地に届けるなど、国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることを理解する
▽日本の稲作について多角的な思考や理解を通して、将来の発展やよりよい食料生産を実現していくためには、どうすればよいか、持続可能な視点から自分の考えをもつ
【本時のねらい】
多額の初期費用がかかるにもかかわらず、農業のスマート化を進める北海道大学の野口伸教授の意図についての話し合いを通して、生産性や将来性の視点から、現在抱える問題と関連させながら必要性を判断し、その価値を表現することができる。
【本時の展開】
〈問いを生む場〉
▽野口教授は30年間、5億円以上の費用をかけて研究・普及
▽野口教授「スマート農業の普及は難しい」
▽6年間で14倍に!―「10年寄り添ってきたから?」「野口さんの努力が実った」「なぜそこまでして」
▼課題「野口教授は、どうして農業のスマート化を進めているのか?」
〈考えをつなぐ場〉
▽仕事が楽に
・機械がやるから速い
・1人で2人分の働きができるようになる
・全自動運転になれば運転できなくても
▽たくさん収穫できる
・同じ仕事量で、2倍の水田を維持できる
・収穫が2倍になれば収入も2倍になる
・農家がもうかるように
▽農家の仕事が魅力的に
・これなら始められる
・これなら続けられる
▼まとめ「農家の仕事がよりよくなれば後継者問題などを解決できるから」
〈吟味・検証・再考する場〉
▼課題「野口教授は、他の地域でも農業スマート化を進めているのか?」
▽稲作=士別市、岩見沢市
▽畑作=芽室町、音更町、帯広市
▽酪農=中富良野町、稚内市、浜中町、中標津町
「全道各地で様々な分野で行われている」「日本の農業が続いていくようにしている」。
▽令和4年度にスマート農業教育研究センター(仮)を北大構内に開設予定
「多くの人にスマート農業を知ってもらえる」「日本全体でこの問題を考える必要がある」。
▼まとめ「野口教授は、日本の農業全体が続けていけるようにスマート化を進め、みんなで農業の未来を考えるようにしている」
【教師の具体的な手立て】
▽単元の学習計画を見直し、つぎはスマート農業について調べることを意識できるようにする
▽多額の費用が必要になるなど、農家が受け入れにくい面があるにもかかわらず、急速にスマート化が進んでいることに着目して問いを生む
▽生産性の向上と生産量について、それぞれの視点から考えられるようにする
▽無人のトラクターは「田おこし」と「稲刈り」で活用できることを確認し、具体的な価値を話し合うことができるようにする
▽既習の農家の悩みと関連させて考えられるよう支援する
▽他地域、他分野での野口教授の実験を提示し、スマート化の普遍性から学びを再考し、野口教授の営みの価値を強化する
▽北大構内に開設予定の施設を提示し、農業の問題を国民全体で考えることへの価値を見い出し、次時への見通しをもつ
▼評価
子どもに「長い時間や費用がかかってもスマート農業を推進することの価値」を問い、ノートに記述させる。
(札幌市 2021-12-23付)
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