【令和４年を迎えて　教育研究団体に聞く】北海道高等学校書道教育研究会　吉瀬献策会長

（関係団体 2022-01-05付）

　新春を迎え、謹んで年頭のごあいさつを申し上げます。平素より本研究会の活動に対しましてご支援ご厚情を賜っておりますこと、心より感謝申し上げます。

　さて、ここで、書道教育の行方におもいをいたし、つらつら思うことを申し述べます。

　時代のニーズに応え、学習指導要領が改訂されても、しょせん、「ヨミ、カキ、ソロバン」の習得は、学習活動における基礎・基本であり不易の原理です。文字をしたためるという行為自体、情報化社会でＩＣＴを駆使する時代下にあってますます陰を潜め、キーボードによる文字入力が一般化し印字がプリントされる中、毛筆については、非日常的な書写用具となっています。

　ただ、こうした状況下でも、毛筆特有の筆さばきで、強弱、ねばり、勢い、伸びやかさをもって正しい筆順に従い文字をしたためていく身体活動は、文具を使うことによる思考活動に連なるものですし、感情移入された筆勢にその人の人となりをうかがうことができます。　　

　目下、道立高校において書道科教諭の採用はありません。このままでは、ついには授業から姿を消し、高校では一部、部活動等で細々と生き残っていくという誠にもって忍びない状況になりそうです。そうして、あらためて、書道教育の現在と将来を見据えたとき、芸術科目のカテゴリーの枠から離れて、独立した科目として位置づけるというの考え方もあってよいのではないかと夢想します。新たな書道教育の在り方を模索すべく、書道教育に携わる諸先生方や会員の皆様の今後の尽力と活躍に期待してやみません。

　なお、会員一人ひとりが日ごろの教育実践で培った成果をもち寄るとともに、修養した自身の技術や芸術性を高め発表する場として、例年、１月に高書研展を開催します。流派や経験にとらわれず、思い思いに創り上げた作品が一同に展示されるのを目の当たりにすることができます。ぜひ、ご高覧くださいますようご案内申し上げ、年頭のあいさつといたします。

▼新年の事業計画

▽第４７回高書研展

・会期＝１月１１日（火）～１６日（日）午前１０時～午後６時（最終日は午後４時まで）

・会場＝大丸藤井セントラル７Fスカイホール（中央区南１条西３丁目２）

▽総会

　新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止。

▼事務局＝札幌平岡高校（木村雅幸教諭）

(関係団体 2022-01-05付)