札幌市中学校教頭会　新年講演会　不登校解消へ小中連携を　道教大札幌校の喜多山教授

（札幌市 2022-01-17付）

学校経営と生徒指導をテーマに講演した

　札幌市中学校教頭会（米田朋弘会長）は１３日、ホテルライフォート札幌で３年度新年講演会を開いた。道教育大教職大学院札幌校の喜多山篤教授が「学校経営と生徒指導～“守り”から“攻め”へ」と題して講演。不登校問題について、特に小学６年生が中学校に進学する段階で大幅に増加している状況を報告し、小学校との連携、一貫指導に力を入れる必要性を説いた。

　開会に当たり林康弘事務局長が米田会長のあいさつを代読。各学校において様々な生徒指導上の課題を抱えている現状にふれ、「教頭会では、日々直面する課題にリーダーシップを発揮し、取り組んでいけるよう知恵を出し合い、互いに助け合える職能団体として、本年も研鑚を積んでいきたい」と話した。

　続いて、喜多山教授が「学校経営と生徒指導～“守り”から“攻め”へ」と題して講演した。

　喜多山教授は、国が公表している各種データをもとに、暴力行為、いじめ、不登校問題について説明。世代別非行少年率や暴力行為を行う加害児童生徒の推移を示し、暴力行為を起こす児童生徒が減少するとともに低年齢化している現状を伝えた。

　いじめについては、認知件数の推移を示し、中学校１学年段階のいじめの認知件数が多いことやパソコン・スマートフォン等による誹謗中傷が増加していることを報告。

　不登校については、年々増加している現状に危機感を示し、特に小学６年生が中学校に進学する段階で大幅に増加している状況にふれ「力の入れどころは中１スタート時点から。小学校との連携、一貫指導は必須」と強調した。

　また、様々な手段を活用して児童生徒理解を図る重要性を強調。個と集団への支援・指導の必要性や未然防止、早期発見に重点を置く大切さを訴えた。

　このほか、学校経営の視点で人材育成の在り方を説いた。

(札幌市 2022-01-17付)