特セン 初の研究成果・実践報告会 ウェブで 研究・実践を全道に 23日までオンデマンド配信
(道・道教委 2022-03-09付)

 道立特別支援教育センターは「特別支援教育研究成果・実践報告会」を初開催し、オンデマンドで配信を開始した。コロナ禍でも各校の優れた研究・実践の交流や研修ができるようネット開催として企画し、いつでも何度でも視聴できるオンデマンド配信とした。内容は、同センターの『特別支援学級担任のハンドブック(新訂版)』の解説やオンライン教材の使い方の説明、道内各校の研究報告4件、実践報告10件など、計5時間弱に及ぶ。センターのウェブページから申請すると23日まで視聴できる。

 報告会は、ウィズコロナの時代をマイナスに捉えるのではなく、前向きにできることはないかと考えたもの。コロナ禍で各校の特色ある実践を交流する機会がほとんど持てなかったことなどを踏まえ、インターネットを通じ、研究成果や実践を交流する場とした。

 また、ズームなどによる同時視聴では回線の制限があり、参加校が限られることなどから、期間内はいつでも何度でも視聴できるオンデマンド方式とした。

 内容は大きく4つの「報告」に分かれており、報告1は、同センターが約10年ぶりに作成した『特別支援学級担任のハンドブック(新訂版)』についてセンター職員が解説。

 報告2では、センターが障がいのある子どもたちのICT活用能力の向上に向け「ほっかいどう・チャレンジドTV」の一環で開設している「オンラインスタディムービー」において、オンライン教材を効果的に使う方法をセンター研究員が解説。

 報告3では、道内の特別支援学校の研究と実践について報告。豊富な図表や授業の写真、指導案などを紹介しながらナレーションによって解説している。

 報告4では、本年度公立学校教育長期研修制度研修生を務めた夕張市立夕張中学校の松島あすか教諭が「小・中学校等における特別支援教育の全校的な推進に向けて」と題し報告。

 各報告は1本ずつの動画(報告3は各学校1本ずつ)となっており、最短で6分、最長で45分。

 同センターのウェブページの入力フォームから申し込むと、後日視聴のための2次元バーコード一覧がメールで届き、スマートフォン、タブレット、パソコンのいずれからでも視聴できる。期間は23日まで。

 同センターの宇野宏之祐教育課長は「コロナ禍で、広域な北海道では大勢を集めた会は参加者の負担が大きいが、ICT環境が整った今、オンデマンド配信ならば遠隔地の学校でも空き時間を利用し、都合に合わせて視聴できる」「テーマを見て、興味のあるものだけ、気になっていることだけでも視聴してみてほしい」と期待。今後も、コロナ禍においても積極的な事業展開を図っていく考えだ。

 報告3のテーマおよび発表者はつぎのとおり。

▼研究報告

▽「児童生徒の主体的な学びと地域に根ざした授業づくりの実践」(苫小牧支援)

▽「特別支援教育における『主体的・対話的で深い学び』につながる授業づくりについて」(帯広養護)

▽「育成を目指す資質・能力と知的障がい教育の学び」(道教育大附属特別支援)

▽「児童生徒のよさや可能性を引き出すための授業づくり」(拓北養護)

▼実践報告

▽「ビデオ通話ツール(Zoom)を用いた視覚障がい教育の充実」(札幌視覚支援)

▽「個別最適化された学びと協働的な学びの保障」(帯広盲)

▽「コロナ禍における教育活動の充実」(函館聾)

▽「コロナウイルス感染時における本校の緊急時の対応について」(白樺高等養護)

▽「模擬株式会社、地域連携について」(今金高等養護)

▽「保健体育科における生徒同士の協働的な学び」(星置養護ほしみ高等学園)

▽「教育的ニーズに応じた指導・支援と関係機関による連携」(札幌伏見支援もなみ学園分校)

▽「地域のニーズに応じた研修会の実施について」(北見支援)

▽「キャリア教育の観点を踏まえた自立活動の指導」(拓北養護)

▽「算数/数学科『重さ』教材・教具の紹介」(札幌市立豊成養護)

(道・道教委 2022-03-09付)

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